フラメンコって

flamenco.png  フラメンコとは、スペインのアンダルシア地方の音楽舞踊の内、この地方に定住していたジプシー 、または彼らの影響の下に演唱されはじめたものをさします。スペイン各地にはいろんな舞踊がありますが、 南部アンダルシア地方で、ジプシーの関与したものというわけです。

メロディーとハーモニー

 フラメンコの音階、旋法では、西洋音楽で使われる和音、音階を使うものも有りますが、 何といっても、フラメンコ独特の雰囲気を漂わせているのは、「ミ」を主音とする音階です。 楽譜に書くと、調性記号は付きませんが、主和音は「ミ」(E)というちょっと変わった 旋法です。フラメンコの標準的なカデンツに、Am-G-F-Eと言うのが有りますが、 もし手元にギターをおもちでしたら、このコード進行で、適当にアルペジオで弾くと、 フラメンコの雰囲気が味わえます。このコード進行はポピュラー音楽でもよく使われますね。

 フラメンコでは、伴奏にギターを使いますから、ギター特有の開放弦を使った独特の和音もよく使われます。 これはギターという楽器を使って、自然発生的にできた不協和音ですが、これもフラメンコらしさを 感じさせる要因になっていると思います。

リズム

 フラメンコでは、リズムにも他の音楽に無い特徴があります。もっとも重要なものは ソレア系のリズムで、楽譜では4分の3で書きますが、12拍が一つの単位で、3、6、8、10 拍目にアクセントが付くもの。
 シギリーヤの様に、4分の3拍子の2拍目から始まって、8分の6拍子と交互に出くるもの。
また、タンゴ系は2拍子ですが、微妙な間があり、かなり粘った感じがあるもの。
ペテネーラ系では、8分の6拍子と4分の3拍子が交互に出てきます。これは南米にもあるようで、 ウエストサイド物語の挿入歌「アメリカ」もこのリズムだったと思います。

形式

 フラメンコの形式はおよそ50種類あるといわれています。カンテ・グランテ(大きな歌) カンテ・チーコ(小さ歌)にまず分ける事ができますが、なぜ、カンテ(歌)と言うかというと、 フラメンコの中心はあくまでも歌という事であるからです。フラメンコのギターソロも歌の形から発展 したものです。コンサートスタイルのギターソロというのは比較的新しいものです。

 上記の分類の中間として、カンテ・インテルメディオと言う位置づけのものも有ります。
下に代表的の形式を分類してみます。

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カンテ・グランデ シギリーヤス
ラ・カーニャ
ソレアレス
セラーナス
サエタ
カンテ・インテルメティオ マラゲーニャス
グラナィーナス
タランタス
ペテネーラス
ティエントス
タラントス
ブレリアス
カンテ・チーコ アレグリアス
ロンディーニャス
ベルデアーレス
セビリャーナス
カンパニリェーラス
ファルーカ
ガロティン
ルンバス
ミロンガス
グァヒーラス
コロンビアーナス
サパテアード

歌い手(カンテ)

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ニーニャ・デ・ロス・ペイネス フラメンコ史上最高の女性歌手といわれている。spよりの復刻盤で歌声は聞ける。
マヌエル・トーレ 不世出のカンタオール・ヒターノ。
ペペ・エル・デ・ラ・マトローナ セビーリャ派の最上の伝承者。
アウレリオ・デ・カディス カディス派の偉大な長老。
アントニオ・マイレーナ 完璧な技巧、迫力。努力と精進を重ねてきた真のアフィシオナード。
マノロ・カロコール 今世紀の偉大な歌い手の一人。
エル・カマロン パコ・デ・ルシアと組んだレコードで高い評価を得る。伝統的な中にも 自由な唱方。
フォスフォリート 知的内省的な深みがある。第1回カンテ・コンクールで、カンテ・グランデ関係の 賞を独占。
エル・レブリハーノ 現代屈指の歌い手。スケールが大きく迫力がある。
エル・チョコラーテ 1932年ヘレス生まれ。本格派。声は力強。

踊り手(バイレ)

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カルメン・アマヤ 今世紀最高の女性踊り手。映画「バルセロナ物語」にも出演。
グラン・アントニオ 代表的男性踊り手。世界的に公演する。舞台芸術としてのフラメンコを完成。
アントニオ・ガディス 来日公演で人気をはくす。フラメンコ男性舞踊家としてのイメージはぴったり。
ルセロ・テナ カスタネットの名手。セラニートとの共演吹き込みがある。フラメンコではないが、 「蜂雀」は快演。

ギタリスト

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ラモン・モントヤ フラメンコ・ギターの独奏スタイルの確立に貢献。
カルロス・モントヤ 最初に世界的に有名になった、演奏家だと思う。ラモン・モントヤは叔父にあたる。来日して 初めてフラメンコ・ギターの妙技を披露。アメリカに渡り多数のレコード吹き込み、公演を開く。 スタイルも独自。非常に個性的で私はあまり好きではなかった。
ペリーコ・エル・デル
・ルナール
個性的な演奏家の一人。伴奏家とし多大な貢献をする。
メルチョール・デ
・マルチェーナ
最高の歌伴奏家。伝統派の巨匠。歴代名歌手の伴奏を勤める。
ニーニョ・リカルド 名匠の一人。伴奏家としても一流だが、魅力あるファルセータも多く作り 「リカルド節」として有名。
マリオ・エスクデーロ コンサート・ギタリストとしてアメリカでも活躍。サビカスとの共演も有り、 きっちりした技巧派。
サビカス 正しくフラメンコ・ギターの王者。日本で発売されたレコードは彼が一番多いと思う。 アメリカへ渡り、演奏活動をする。テクニック、音色とも最高。トレモロもきれい。 彼のファルーカは私の最も好きなものです。
ファン・セラーノ コンサート・ギタリスト。ややコンパスに難があるような気がするが、レコードの吹き込みも多数。 コルドバの時計台の時報は彼の演奏。
ホアン・マヤ・マローテ アントニオ・ガディスの伴奏家として来日。ソロも味がある。その後大阪のタブラオに 出演していたときにサインをもらう。
ペペ・マルティネス 音色が美しく、繊細。派手さはないが、粋な雰囲気を持つ。
マヌエル・カーノ 激しさや、野生味はないが、洗練されたコンサート・スタイルの演奏家。
パコ・デ・ルシア 子どものころより天才的な演奏をする。12歳で兄と初吹き込み。コンサート・スタイルとしては 最高の技巧派。フラメンコに収まらず、ジャズ的なインプロビゼーションにも秀でる。
ビクトル・モンヘ
・セラニート
パコに比べて、正統派だと思う。来日時の吹き込みはじっくりした演奏で独特の間が 落ち着かせてくれる。
マノロ・サンルーカル 上記の二人に続き国際的な活躍に入る。吹き込みも多数。
住田 政男 中学のときにフラメンコ・ギターを始め、三好保彦に師事。高校のときに私と同級に なり、教えてもらう。卒業後、スペインに渡り、マノロ・サンルーカルらと共演。

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