はじめに

家造りの楽しさをもういちどを書き始めてからPART4までの期間は20064月〜200812月まででその後今日まで4年半程中断していました。今回PART5を書くにあたり、はじめにの項等を読み返してみました。PART1では大雨による災害、子供の虐待、PART2ではイジメの問題、PART3では地震、原発、PART4では「拒否できない日本(アメリカの日本改造が進んでいる)」取り上げて書いています。私が取り上げて書いたことは、いまだに何一つ解決していません。その糸口さえ見えていません。全国の小、中、高では今もイジメは無くなっていないし、子供の虐待もあるだろうし、今後も大雨による大規模な災害もあるだろうし、原発も今のまま(多少改善されたとしても)稼働させれば地震により福島のようになってしまうでしょう

大雨による大規模な災害―昭和30年代にはまだ山林業に携わっていた人は40万人程いたそうですが、現在では約その1/104万人程しかいないそうです。これでは山は守れません。昨年和歌山だったと思いますが大規模な山崩れで大木が根削ぎ流されていました。そのときテレビのインタビューで地元のじいさんは、山が手入れされていない為、山に地力が無くなったから(しっかり大地に根を張れない)こんな大きな災害に成った。大規模な災害が全て記録的な大雨により仕方がないように言われていますが、山がきちんと手入れされていれば、災害があったとしても今より小さな規模に収まっていたと思います。国は国民の生命と財産を守る義務がありますが何ら山を守る対策をしていません。災害が起これば土木工事(コンクリートの壁を作るだけ)をするだけで根本を直そうとはしません。とても国民の生命と財産を守ろうとしているとはとても思えません。このことに共通しているのが福島での原子力発電所の事故による放射線漏れで古里を奪われた住民の方々への対応です。震災後2年半が過ぎようとしているにもかかわらず、生活の基盤を奪われた住民に今だ、なんの対策も示していません。特に農業と畜産と漁業を営んでいた方々への対策(保障?)は殆ど行われていません。除染が何年係るとか言っている割に除染が進んでいない(徐染した放射線廃棄物の処分場が決まらないため―仮、仮置き場って何ですかね)海にはセシュウムがいまだに漏れ続けていて漁師さん海にもでられないようです。

国は国民の生命と財産を守るということをしません。私たちは日々苦しいこと、嫌なこと。様々な事柄な中、ささやかながらも暮らしています。そこには働く喜び、苦しみがあります、生きている証があります。福島の原発の被害に遭っている方々にはあるでしょうか、多くの政治家や役人や大企業が既得権益にしがみついて遅々として進まない復興、そして生活の基盤を奪われ、いまだに先の見えない生活を強いられている方々は何を目標にしたらいいのでしょうか。

今、アベノミクスとか言われて騒いでいますが、福島の原発周辺で生活をしていた方々はこの先いつ帰れるとも分からない生活を強いられています(放射線はいまだに漏れ続けています)。もうこの先何十年も帰ることが出来ないならば、国が土地を買い上げて代替え地の手当を早くして生活の基盤造りをすることが政治に求められることではないでしょうか。それこそが政治の決断であり、国民の生命と財産を守るということに成るのではないでしょうか。

原発事故で避難生活を強いられている方々は、この国に生まれてきて良かったと思っていらっしゃるのでしょうか。本当のことを聞いてみたいと思いませんか。

20数年前からになるのでしょうか(久米宏さんの報道ステーションに始まり)テレビで評論家・文化人として評論(?)する番組が多くなったのは。今では毎日、朝・昼・夕・夜とテレビ各局で競うように行われています。この間雇用形態は崩れ、正社員が大幅に減少し、訳の分からない先の保障が何もない派遣社員が大幅に増え、格差社会と呼ばれるような社会になったようです。また今限定社員というまた訳の分からない制度を作ろうとしているようですが、一体この国の国民をどうしたいのでしょうか。

いったいテレビ等の報道番組(マスコミ)って何々でしょうかね。マスコミ、テレビ等に出てくる評論家、政治家は官僚には勝てないってことでしょうかね。(マスコミの方々はもうとっくにご存知ですよね・・・?)

山を守るということに関して

もう30年位前になるのでしょうか、カヌーで世界の川を旅している野田知佑さんが、日本の川は以前は常に一定の豊かな水の量で流れていた。大雨が降っても少し水量が増えるだけでまた雨が止めば暫くするとまた元に戻っていました。何時の頃からか水量が減り大雨が降ると一気に水量が増すようになってしまった(以前は水量が少なくてカヌーを担いで行かなければならない箇所はほとんどなかったそうです)。山を崩して開発したり、山の手入れをしなくなって、山に力がなくなった結果だと思います。

今回のテーマを何にしようかと考えました。原点かえって住宅とは―住むとはどういうことかを中心として考えてみたいと思います。(私は学者ではないので学問的な話はできません。実際に住宅造りをしてきて施主さんの話・反応等を参考にして話を進めます)

日本の山を守りたい

1 住むということ

2 国産材と輸入材

3 未定?

1        住むということ

1)        雨、風、露等を防ぐ

住居の発祥の元は、雨、露を凌ぐ事から始まったと言われています。裸の生活から衣服身に着けるようになったのと同じで、極素朴な本能から始まりました。

2)        時代は一気に現代に飛びまして

現代では、システムキッチン、ユニットバス、ウオシュレット等機能性、利便性を求めるようになりました。

3)        日本の住居の今昔

日本独特の高温多湿という気候風土を考慮して、住居は夏をむねとすべしと言われるように夏の暑さを如何にして過ごすかを重視して家を造っていました。軒が深く、風通しの良い家が造られてきました。もう一つは自然素材、無垢の木材、塗り壁を中心とした家造りです。無垢材、塗り壁は湿気の多い夏は水分を吸収して空気を爽やかにしてくれ、乾燥する冬は逆に水分放出して乾燥するのを防いでくれます(調湿作用―夏涼しく冬暖かい)。心安らぐ住環境を創り出してくれています。また昭和30年代までは、都市部でもまだ田園風景が広がりそこから夏には涼しい風を運んでくれていました。扇風機やうちはで十分涼を取ることができました。田園は自然のダムと言われ大雨の場合一旦田んぼに水を貯める役割を果たしていました。
現在殆どの家はこのことは全く考慮には入れられず、軒は浅く、風通しのあまり良くなく、内装は、新建材で床はフロアー合板、壁・天井はビニールクロスで家が造られています。間違いなく夏は暑く、冬は寒いです。夏の暑さはエアコンで凌げば良いという冬の乾燥期には加湿器を使用すればいいという考え方です(調湿作用のない都市部が高温地域になる(ヒートアイランド現象)地面はアスファトに覆われ、エアコンにより外気熱せられて高温になってしまう。電気等多くのエネルギーが消費されています。

4)        住宅に求めるもの

多くの人は一生に一度しか家を建てることができないと思います。そのとき人は家に何を一番に求めるのでしょうか。男・女別、年齢によって異なると思いますが大別すると

A 居住性(居心地の良さ−心安らぐ憩いの家

B 機能性−動線が速やか

C デザイン性−見た目のかっこよさ

D コスト(予算)

E その他

大別するとこんな所でしょうか

A 居住性について

 居心地の良さ−五感に優しい(目に優しい、肌に優しい、優しく癒される臭い等)

 居心地の良さを得る為には何が必要であり、如何にすればいいのでしょうか。

 まずは素材の選択が必要です。無垢材、自然素材による塗り壁等の場合は、自然の調湿作用により空気が爽やかで木の臭い、肌触り心地の良さ、そして。ゆったりとした空間(広さだけではなく拡がりを感じさせる)これらが合わさり総合して居心地の良さを感じさせてくれます。一方、新建材、合板類、ビニールクロス類等を選択した場合は、することによって全く異なった居住性になります。

B 機能性−動線が速やか

 住宅においては、全ての動線を機能的にすることはむつかしい面がありますが、動線と動線の重なりを出来る限り少なくすることと、

2 国産材と輸入材

1)            日本で使われている国産材と輸入材の割合

1965年         国産材70% 輸入材30

2002年         国産材18% 輸入材82% 

その結果日本の森林資源は1975219000m32002年には404000m32倍に増えています。国産材を使用しなくなってから、山に携わる人はどんどん減り続けています。日本は鉱物資源等資源の少ない国です。国土の70%が山林と言われ木材は日本にとって大きな資源ですが、林業が儲けにならないために疎かにされています。そのために山は今やあれ放題になって大規模な災害を引く起こす要因になっています。

2)           現在各都道府県では何とか国産材が使われるよう様々な取り組みが行われていますが、その成果は?

  私の住んでいる愛知県では県内産を使用して住宅を建てた場合の取り組みを過去に遡って書いてみます
  最初に(10年位前になりと思いますが)柱材プレゼントということで県内産の柱を使用した場合一律に100棟まで10万円の  補助金が出ました。(県に登録されている材木業者から買い入れる)施主に支払われました。
  4年程前に制度が変わり構造材(土台、柱、梁等)羽柄材(下地材―間柱、胴縁等)はm3×8,000円 内装材(床材、壁材、天井材等)はm2×1,000円で算出して最初の年度は上限を設けなかったために、使用する数量の多い住宅では100万を超えるものが出たので10棟も成らない間に予算をオーバーしてしまいました。次の年からは前年の反省から上限を50万として補助金を出すようになりました。(書類の内容は、申請時に見積書を作成し材木業者の材料一覧表を添付、完了時は、材木業者の出荷証明書を添付して書類を提出する)
  本年からまた制度がかわりまして木材利用ポイントと名前が代わり建設会社、大工さんが業者登録をする。申請も各業者さん行うこととなります。県内産を使用すれば各業者さんに補助金を出すということで施主さんに支払われるものではありません。金額の算出方法は、構造材はm3×8.000 内装材はm2×1,000で上限は40万です。予算に限度があると思いますのでそんなに多くの棟数になるとは思えません。
 過去の経過から私が思いますのは、元々県内産の材料を使用していた各業者さんが、補助金がもらえるならばと、申請しているだけで、補助金がもらえるからといって県内産を使用しているのではないと思います。予算に限度があり、県内産を使用している全ての業者が補助金をもらえるわけでは有りません。補助金がもらえないからといって県内産を使用しないのではなく、元々県内産を使用している各業者は県内産の木材を使用します。この制度を利用して県内産の木材の使用が増えるとは思えません。
この制度を利用するのはほんの一部の中小の業者です。圧倒的に多くの住宅を作っている大手の業者は輸入材を使用しています。
以前住宅のエコポイント制度(40万エコポイント)を国が1000億円の予算を付けて行なったことがありましたが、エコポイント制度が出来たから家を立てる人が増える訳では有りません。元々建てる予定の人が、制度があるならば申請してもらおうとするだけです。家を建てる余裕のない人にとってはどうでもいいことです。金持ち優遇政策と言われても仕方のない制度です。1000億の予算を使うならば年収300万の人を3万人雇い山の手入れを行なったほうがどれほど役に立つかわかりません。ただエコポイント制度の方が楽な仕事だからです。3万人雇って山の手入れをする作業がどれほど大変な作業か分かっている役人さんがする筈か有り得ません。
国や県は何かをしないといけないので本来必要のないことに予算を付けて無駄な仕事を作って無駄使いをしているだけだと思います。このエネルギーもっと他の役立つ事に使いたいものです
木材利用ポイント制度も、エコポイント制度も、制度を作ったからと言って、国産材の使用が増加したり、住宅を建てる人が増加する訳ではありません。単に制度を利用してもらえるものならばもらおうとするだけで、何ら効果はありません。 皆さんご存知だと思いますが、伊勢神宮が20年毎に立て替えていますが、本来20年で建て替える必要がありませんが。何故建て替えるかといいますと、宮大工の技術の伝承です。今神社仏閣の多くは鉄筋コンクリート造になってきています。宮大工の腕を振るう機会がどんどん減ってきていますし、そのため後継者も少なってきています。日本の伝統技術を守るために国がお金を使うことはいいことだと思っています。
一般住宅においても大工の技術はどんどん廃れっていっています20年や30年で建て替えるつもりならば。輸入材や集成材を使用した工業製品(新建材)を使用するのもいいですが、長持ちをする家を願うならば国産の無垢の木材を使用したほうがいいように思います。(以前木材の持つ特性については書いたことがあると思います)

(まだ途中なので順次書き足していきますよろしく )

 3)集成材についてをテーマとして次回は書きます(


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 * 工事の写真等も加えていきたいと思っています。 楽しみにしていてください。
    木香舎の造った家を見学したい方は気楽に連絡して下さい。