年 金 相 談

このページは愛知年金者組合ニュースの年金相談の記事をそのまま紹介するものです。

「ねんきん特別便」の記録表の「用語」がわからない  (No.42  4月号)
Q 「ねんきん特別便」が届いたが、「年金記録」表のなかの使われている「言葉」が、わからないので教えてください。 (熱田区 A夫)
A 「資格取得年月日」…年金加入年月日のこと。厚生年金では、入社年月日、転勤年月日、短時間勤務から長時間勤務に変更した日、または会社全体が加入した日をいう。共済は入所(職)年月日。国民年金は二十歳到日(誕生日の前日)、または退職の翌日。
「資格喪失(喪失)年月日」…加入をやめた(終わった)日のこと。厚生年金は退職日(または死亡)の翌日をいう。転勤は転勤日。七十歳に達した日。共済も考え方は同じ。国民年金は六十歳到達日(誕生日の前日)、または退職日。
「加入月数」…保険料も月単位で納めるのと同じで、月単位で数える。加入の月は途中でも一ヶ月で数える。喪失の月は計算対象ではない。厚生年金は資格取得年月から資格喪失年月の前月までが対象。共済も同じ考え方になっています。国民年金は少し違います。加入月数はとは納付月数です。未納期間は計算に入りません。
 日常使わないことが出てきて戸惑われたと思いますが、これに懲りず、わからないときには何でも質問してください。面倒がったり、あきらめることが、年金を損をすることにつながりますので、とにかくがんばって下さい。



「加給年金額」のプラス・マイナスの条件は(2)
  (No.41  3月号)
Q 「加給年金額」はどういう条件の時にプラス・マイナスがありますか。
A 2月号(プラスと支給停止条件)の続きを述べます。
○老齢厚生年金(退職共済年金も同じ)
(3)「配偶者加給年金額」のマイナス(削減)条件…年金額にプラスされているのがはずれること。(「減額改定」という)
@配偶者が65歳に達したとき。(配偶者が1926年(大正15年)4月1日以前生まれを除く)配偶者には「振替加算」がありますので注意。
A配偶者が死亡したとき。
B配偶者と離婚したとき。
C配偶者が受給者との同一の生計維持状態(事実婚含む)がなくなったとき。
○障害厚生年金(共済も同じ)
(1)「配偶者加給年金額」のプラス条件
@プラスの前提として、障害年金受給者が1級または2級であること。
Aその他の条件は老齢厚生年金と同じです。
(2)支給条件
@マイナスの前提として、障害年金受給者が1級又は2級でなくなったとき。
Aその他の条件は老齢厚生年金と同じです。



「加給年金額」はどういう条件の時にプラスされますか  (No.40  2月号)
Q 「加給年金額」はどういう条件のときにプラスされますか(1)
A 今までの「配偶者加給年金額」のことを整理してみます。他の年金の「加給年金額」もどういう条件のときにプラスになるかも含めて説明します。
まず、老齢厚生年金(退職共済年金も同じ)です。「配偶者加給年金額」は老齢基礎年金にはありません。
(1)「配偶者加給年金」のプラス条件
@当面20年以上の加入期間、または特例の男子40歳(女子35歳)以降15年あること。
A1944年4月2日生まれ以降は定額部分(1階)とも支給開始から。
B同一の生計で年収850万円を将来にわたって得られない配偶者(事実婚含む)。
C配偶者が1926年4月2日生まれ以降で65未満。
D配偶者が年金を受け取っていないか、20年(特例15年)未満の年金および基礎年金のみの受給であること。
(2)「配偶者加給年金額」の支給条件
@在職老齢年金が全額停止したとき。ただし一部支給はそのまま全額プラスのままです。
A配偶者が次の年金を受けられるとき。
ア、20年(特例15年含む)以上ある厚生年金の老齢年金、および障害年金。
イ、20年以上の公務員共済の退職年金、および障害年金。
ウ、国民年金の障害(基礎)年金。
エ、船員保険の老齢年金および障害年金。
オ、退職および障害を理由とする恩給。
カ、この他に、八幡製鉄共済組合や旧令共済組合関係などのものがあります。
 マイナス(減額という)条件や「子の加給年金額」、障害年金については次回



遺族年金の加算とは?        
(No.39  1月号)
Q 厚生年金に加入している39歳の娘の夫が死亡しました。21年加入しています。子どもはいません。遺族年金に加算されるものがあると聞きましたが、教えてください。
(稲沢R子)
A 「中高齢以上の加算」といいます。遺族厚生年金に加算される条件は、夫が、@20年の加入、A加入中の死亡、B加入中の病気・怪我で初診日から5年以内に死亡、C一級・二級の障害年金受給中の死亡(遺族年金の条件は12月号参照)、であること。
(2) 妻が35歳から65歳未満であること。
(3) 18歳未満(障害者は20歳未満)の子がいないこと。
です。R子さんはこの条件に該当しますので、遺族厚生年金に「中高齢の加算」が加算されます。「中高齢の加算」は、40歳になってから65歳になるまで加算され、その後は「経過的寡婦加算」に変えて支給されます。(1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人)また、18歳未満(障害者は20歳未満)の子がいる妻は、遺族基礎年金と子の加算額がプラスされますが、子どもが18歳以上になると、この二つが消え、65歳になるまで「中高齢の加算」が加算されます。
「中高齢の加算」の額は遺族基礎年金の額(778600円)の4分の3を乗じた額、594200円(06年度)です。
「経過的寡婦加算」の額は生年月日により違います。
「中高齢の加算」は、04年年金「改正」で、「35歳以上であれば40歳から加算が、「40歳からの加算」は変わらないが、夫の死亡当時、「40歳以上でないと加算されない」ことに改悪されました(07年4月1日から実施)



「配偶者加給年金額」には加算がありませんか  (No.38  12月号)
Q 前回の相談で「配偶者加給年金」のことを教えていただきましたが、加算もあるのではありませんか。(安城市 X郎)

A 字数の関係で説明を省略しましたが、「加給年金額」は、65歳未満の配偶者だけでなく、18歳未満の子(障害者は20歳未満。その年齢になった年度の3月末まで支給あり)がいれば、加入期間20年の資格がある老齢厚生年金(退職共済年金)一級・二級の障害年金、遺族年金に上乗せされます。その金額は、年間227000円です。子は二人目まではこの金額ですが、3人以降は各75900円です。
ご質問のとおり、それに加えて、加入期間20年の資格がある老齢厚生年金(退職共済年金)の配偶者の「加給年金額」には、「配偶者特別加算」という額(生年月日により加算額は違います)がプラスされます。奥さんの生年月日は、「昭和16年4月2日〜17年4月1日」ですので、「配偶者特別加算」は101000円です。
「加給年金額」と「配偶者特別加算額」をプラスをすると328900円になります。それ以降の「配偶者特別加算額」は、「昭和17年4月2日〜18年4月1日」が年間134600円、「昭和18年4月2日以降」が168100円、それぞれ加算されます。
障害年金の配偶者の「加給年金額」と子の「加給年間額」には、「特別加算」は付きません。
「加給年金額」は、「報酬比例部分(二階部分)と「定額部分」(一階部分)」の両方が支給された時に加算されます。「報酬比例部分(二階部分)」のみの「部分年金」間は加算がありません。



妻が65歳になったら年金が減った。何故でしょうか?  (No.37  11月号)
Q 厚生年金から月20万円の老齢年金を受け取っているが、妻が65歳になったら、年金が3万円へってしまいました。何故でしょうか?(安城X郎)

A 厚生年金(共済年金も同じ)に20年以上加入した妻がいる場合、「配偶者加給年金額」という扶養手当のような性格の加算(上乗せ)がされます。その対象となる配偶者の条件は、@前年の収入が850万円未満であること。A20年以上にあたる老齢厚生年金の年金を受け取っていないこと、そしてB65歳未満であること、です。あなたは昭和16年生まれですから加給年金は328900円が加算されていましたが、奥さんが6月に65歳になられましたので、8月の支払い分から月27408円が減額になったのです。
そして奥さんが65歳になりましたから、開始した老齢基礎年金に、加給年金が振り替えられた「振替加算」が加算されたと思います。奥さんの生年月日では130600円です。加給年金の約三分の一です。
支払い側はだんだん満額の基礎年金が受けとれると考えているのでしょうか。「振替加算」は生年月日が若くなる順に金額は少なくなり、1966年(昭和41年)4月2日生まれ以降の人たちはなくなります。また、65歳になっても年金権のない人(無年金)には「振替加算」が出ません。なお、「配偶者加給年金額」は、夫婦とも厚生年金20年以上加入で両人とも受け取るようになるともらえなくなってしまいます。(支給停止という)。
妻が20年に微妙(1951年・昭和26年4月1日以前に生まれた中高齢の短縮特例あり)になるようでしたら、20年を超えない方が夫婦の年金額が多くなる場合があります。そして「振替加算」もつきません。



国民年金の第三号被保険者になる前の加入期間がないのはなぜ  (No.36  10月号)
Q 64歳になったので社会保険事務所で聞いたら国民年金の期間が1986年(昭和61年)4月1日からあるが、それ以前はないといわれました。「消えた年金」のこともあり、心配です。どうなっているのでしょうか。私は66年4月の23歳で結婚してから働いていません。夫は民間会社に定年まで働いています。(北区 W子)
A 国民年金制度は1961年(昭和36年)4月1日から始まり、20歳から60歳になるまで加入する期間です。「皆年金」としてできた制度ですので、原則強制加入ですが、働いていない家庭の主婦などは、86(昭和61)年4月1日に、国民年金を基礎とした「基礎年金制度」になり、第三号被保険者(以後加入者という)ができるまでは任意加入でした。
 大部分の主婦のみなさんは、収入もなかったこともあり、加入をしていませんでした。第三号加入者とは違い、加入をすれば保険料を払わなければなりません。払わないと、未納となり、その期間は合算対象期間(カラ期間という)にならず、未納期間を除く第三号加入者期間とカラ期間をあわせて25年に満たないと「老齢基礎年金」を65歳から受け取ることができず、無年金になってしまいます。
でも、W子さんの場合は、「消えた年金」ではなく、結婚してから86年3月まで加入しなかったと考えられます。三号加入期間が17年あり、カラ期間が20年ありますので、65歳になったら、最寄りの社会保険事務所に老齢基礎年金の請求手続きをしてください。
 なお、カラ期間は保険料を払っていませんので、老齢基礎年金額には反映されません。三号加入期間の17年分が計算されて支給されることになります。



納付した記録がない場合はどうしたら?  (No.35  9月号) 
Q 昔、国民年金を納付したときの記録がない場合があると聞いて心配になりました。
どうしたらよいでしょうか?(尾張旭市 W男)

A まず、最寄りの社会保険事務所に年金記録(納付記録)の確認に行ってください。国民年金のみの場合は市区町村役場でも良いです。
 そのときに持参するものは年金手帳(あれば、国民年金手帳、厚生年金被保険者証、基礎年金通知書も)です。年金受給の方は年金証書も。それに、国民年金は加入当時の住所、職歴などをメモしていくと良いと思います。本人が行けないときは、委任状と委任された人の身分証明ができるものです。
 次に、加入記録を確認し、国民年金の納付記録から、納付記録が一部でも漏れている期間があったら、調査依頼の用紙を提出します。(領収書があれば、納付記録を整備してくれます。)
 時間がかかりますが、解答が社会保険事務所からきます。その解答が、納付になっていれば良いのですが、未納の内容(「消えた年金」)であれば、その解答書とをもって、「年金記録確認第三者委員会」に申し立てることになります。「行政第三者委員会」に直接申し立てる事はできません。社会保険事務所が窓口になっています。「年金記録に係る確認申立書」の用紙に記入して提出します。
 社会保険事務所からの送付に基づき、領収書はなくても、納付の事実をうかがわせる家計簿や貯金通著などの関連資料と聞き取りと、社会保険事務所や市区町村などの行政機関の資料で、判断をするものとされています。ただし、本人の申し立てが必ずしも認められるとは限りません。判断の基準が非常に微妙であり、今後に問題を残す可能性を含んでいます。「第三者委員会」での審議・結論・本人への通知となります。



年金漏れがあったときはどうしたら?  (No.34  8月号) 
Q 国会や参議院選挙で年金記録が大きな問題になり、時効の停止などもされたと聞きましたが、
どういう内容でしょうか?   (南区V子)

A 「消えた年金」と、年金記録で国民の不安を大きく与えたのですが、@まずやるべきことは、一億件といわれる「基礎年金番号」には住所があるので、国の責任で一人残らず、”すぐに”年金記録を送ることが大事です。手元にきた記録が完璧であれば安心するし、漏れていれば訂正を申し出ることができる。やる気だけです。でも政府は来年になってから送るといっています。これでは国民の不安は続くだけです。
 組合員の皆さんで、「記録漏れなど」がありそうだという方は、年金証書または年金手帳(被保険者証)をもって、国民年金・厚生年金は最寄りの社会保険事務所(年金相談センター)に、共済年金はそれぞれの共済組合に行って調査依頼をしてください。
Aしかし、調査の結果、加入記録(納付記録)がない場合(消えた年金)は、今回第三者機関がつくられましたので、社会保険事務所に不服申立してください。B成立した「年金給付にかかる時効の特例等の法律」は次の内容が該当します。
一つは、今までに年金受給してから5年経過後に漏れていた記録が見つかったり統合した、または記録訂正した場合(再裁定という)です。年金相談を受けた(今月号1ページ)のT支部秋田さんがそうです。9月に社会保険事務所から請求書が送付されるそうです。二つは、年金受給中で(5年経過後)、今後漏れた記録などがあった場合、などです。ほかに細かいところもありますのでそれぞれに尋ねてください。
しかし、「受給権の時効5年経過後に全期間を請求」した方は、今回の法律には不該当なのです。



65歳以上の遺族年金とは  (No.33  7月号)
A 65歳以上の遺族年金がこの4月から変わった点について、6月号に加えもう少し述べます。
@まず、厚生年金保険に加入したことがある配偶者は、配偶者自身の「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」を全額受け取ります。
Aその配偶者自身の「老齢厚生年金」の額が「遺族厚生年金(亡くなった配偶者の老齢基礎年金の四分の三)」と「遺族の配偶者自身の老齢構成年金の二分の一+遺族厚生年金の三分の二」のいずれか高い額よりも少ない場合、その差額が「遺族厚生年金」として支給されます。
B逆に、多い場合は遺族厚生年金は出ず、「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」だけを全額受け取ります。6月号のGと一緒に見てください。



四月から変わった(実施)年金とは?(2) (No.32  6月号)
A 4月から変わった年金のうち女性に関する内容について述べます。
D「離婚分割制度」
07年3月号の「年金相談」に掲載されていますので参照してください。
E若い妻の遺族年金
子あるなしに関係なく、これまでの遺族年金は年齢制限がありませんでしたが、4月以降、夫の死亡時に30歳未満で子どものない妻については、5年間だけしか受け取ることができない有期至急となります。
F中高年の遺族年金
子どもがいても、18歳(障害の子は20歳)以上の場合は遺族基礎年金が受け取れません。そこで、遺族厚生年金に「中高齢寡婦加算」をプラスしています。
 その年齢対象が、夫の死亡時に、今までは「35歳以上」でしたが、4月からは「40歳以上」に見直されます。支給は今までどおり「40歳から65歳まで」です。
G65歳以上の遺族年金
共働きだった65歳以上の女性が遺族年金を受け取ると、今までは自分の老齢年金の全部かあるいは一部受け取れなくなり、自分の年金は「掛け捨て」のような状態で、不満が多く出されていました。
4月からの見直しは、自分の老齢年金は全部受け取り、夫の遺族年金より少ない場合は、差額をプラスする内容です。
しかし、問題点が残りました。そのひとつは、今までは三つのケースの中から一番多い額を選択することができましたが、4月からのはこの一ケースのみで選択権はなくなりました。その二つは遺族年金は非課税ですが、老齢年金は課税対象です。年金額によっては税金がかかり、手取りが前のケースより少なくなる可能性が出てきました。「掛け捨て」状態はなくなりますが、その声を逆手にとって、ここでも税金を取ろうという策略が見え隠れします。



四月から変わった(実施)年金とは?(1)  (No.31 5月号)
Q この四月から「離婚による年金分割」のほかにも変更となる(実施)ものがあると聞いていますが、どういう内容でしょうか? (北区U生)
A 「離婚分割制度」については、三月号のこの蘭で説明しましたのて、そのほかの内容について述べます。
@国民年金の引き上げ
 月額13860円→14100円(240円増)自営業者等の国民年金保険料は、毎年4月から2017年まで月額240円づつ引き上げられことになっています。ちなみに厚生年金と共済年金は毎年9月からです。
A70歳以上の働く高齢者の厚生年金をカット
 いままでの「在職老齢年金」の仕組みでは、60歳代で厚生年金に加入中の方の老齢年金がカットされていましたが、70歳以上の方もカットされるようになります。減額方法は65歳からと同じです。詳しくはお近くの社会保険事務所へ尋ねてください。ただし70歳以上の人は正社員で働いても保険料はかかりません。またすでにこの4月以前に70歳に到達している(1937年4月1日以前生まれの)方は当面減額対象外です。
B65歳以降の年金の繰り下げ受給の開始
 希望する人は、65歳以降の年金の受取を66歳以降に遅らせる制度です。受給開始を一ヶ月遅くするごとに将来の年金は0.7%増額されます。70歳から受け取ると本来の年金より42%多くなります。
C年金辞退(全額停止)
 公的年金は、いったん受け取りが始まると、自分の都合で受け取りを止めることができませんでした。この4月からは、「生活に余裕があり、年金はいらない」という人は、社会保険事務所に申し出れば、受け取りを辞退することができます。将来、お金が必要になった時に申し出れば、その時点から受け取ることができます。しかし、どれだけの人が…。 



遺族年金請求の添付書類は?
 (No.30  4月号)
Q 友人から、厚生年金受給の夫の死亡により、遺族年金の請求に添付する書類について聞かれました。教えてください。(愛西市 U子)

A 添付する書類は、@死亡者の年金証書・年金手帳(基礎年金番号通知書)、A戸籍謄本(住民票コードを記入した場合は省略できる)、B世帯全員の住民票(住民票コードを記入した場合は省略できる)、C死亡者の住民票の徐票、D請求者の所得に関する証明(前年分の所得証明書・非課税証明書=市区町村の税務課で交付。)源泉徴収票、または請求者が被扶養者として認定されている健康保険被保険者証、E請求者の振込先の預金通帳(貯金通帳)、F死亡診断書または死亡届記載事項証明書(市区町村の住民課で交付)です。そしてG印鑑の持参(認め印でよい。請求書に請求者が記入すればいらない)。
 その他に、H加給年金額対象者(子)がいる場合で高校生は在学証明書か学生書の写し、I死亡者が共済年金もある場合は加入期間確認通知書(共済組合が発行する)が必要です。
 この他にも交通事故死など、わからないことがある場合は当組合の「年金相談」を利用するか、社会保険事務所に問い合わせください。
 これらをそろえて、社会保険事務所で受け取った「遺族給付裁定請求書」、「未支給年金保険給付請求書(死亡届)」と、請求者も年金者であれば「年金受給選択申出書」とともに住所地の社会保険事務所(最寄の年金相談センター)に提出(手続き)をしてください。死亡者が共済年金の方は共済組合、厚生年金と共済年金両方ある場合はそれぞれに行ってください。



年金額の半分出ない離婚分割
    (No.29  3月号)
Q この4月から離婚による年金分割が始まる(施行)と聞いていますが、どういう内容で、どこに申し出ればよいか方法など教えてください。  (大府市T子)
A 2004年(平成16年)の年金「改革」のなかで、「離婚により配偶者の年金を分割できる」ようになったのです。この制度の施行日は、2007年(今年)4月1日とされております。したがって、離婚の成立が4月1日以降であることが年金分割の要件となっています。3月31日以前は該当市内ということです。
 「分割される年金」とは、@実際に受け取る年金額ではなく、保険料を計算するときに用いている「標準報酬月額」に再評価率をかけたものの二分の一の範囲内であり、Aその対象は、婚姻期間(内縁=事実婚は国民年金の第三号被保険者であった期間のみ)中の厚生年金と共済年金であり、B分割を受けた人が、年金を受け取る期間(受給資格期間)を満たしていることが必要であり、C年金を受け取る年令になってその分上乗せされ、D当事者が社会保険事務所に請求をし按分分割が合意していることです。合意や協議ができないときは、当事者の一方の申し立てにより仮定裁判所が請求すべき按分割合を定めたことです。
 すでに年金を受け取っている人も同じです。
 三号分割は二〇〇八年四月一日が施行日です。
 この制度が創設された背景は、一般的に離婚したあとの女性の生活が経済的に不安定になりやすいことが挙げられています。が、男性のほうも年金が減ってしまい、へたをすると、低年金者仲間入りとなりかねません。私は、「低額年金者の再生産」といっています。女性の年金が全体的に低いのですから、保険料なしの「最低保障年金制度」を創設すれば、水準の底上げになり、分割しなくてもすむのではないかと思います。



遺族年金はいくら?   
 (No.28  2月号)
Q 遺族基礎年金の年金額はいくらになるでしょうか? (南区 S男)

A 遺族基礎年金の年金額は、老齢基礎年金の満額と子の加算を加えた額です。
 満額とは、国民年金の保険料を二十歳から六十歳までの四十年間、納めた額です。つまり、二〇〇六年度(平成十八年度)の額は、七十九万二千百円です。四十年納めなくても満額の額です。
 子の加算額は、一人目と二人目は年額二十二万七千九百円、三人目以降は七万五千九百円です。
 受け取る遺族の対象に制限があります。その遺族とは、「子」と「子」のある妻です。つまり「子」の存在が必要です。また「子」のない妻は遺族基礎年金の対象でありません。夫も「子」があるなし関係なく対象になっていません。
 では、「子」とは、年金法上の子といいますが、十八歳到達年度の末日までの子、または二十歳未満で一級か二級の障害の状態にある子、です。
 遺族基礎年金を受給できないときに、「寡婦年金」と「死亡一時金」があります。「寡婦年金」は、子に年齢制限があるため、夫が第一号被保険者二十五年以上納付(免除)がある、老齢基礎年金、障害基礎年金を受け取る前に死亡した場合に十年以上の婚姻期間(内縁関係も)があった妻が、六十歳から六十五歳の間受け取る年金です。額は、夫が六十五歳から受け取ることができたと仮定した老齢基礎年金の四分の三です。
 「死亡一時金」は、死亡した人が第一号被保険者で三年以上納付(免除)があり、老齢基礎年金、障害基礎年金を受け取る前に死亡した場合に、同じ生活をしていた家族が受け取る一時金です。額は十二万円から三十二万円です。



遺族年金の加算とは   (No.27 2007年1月号)
Q 厚生年金に加入している三十九歳の娘の夫が死亡しました。二十一年加入しています。子供はいません。遺族年金に加算されるものがあると聞きましたが、教えてください。 (稲沢市 R子)

 「中高齢の加算」といいます。遺族厚生年金に加算される条件は、(1)夫が、@二十年以上の加入、A加入中の死亡、B加入中の病気・怪我で初診日から五年以内に死亡、C一級・二級の傷害年金受給中の死亡(遺族年金の条件は12月号参照)、であること。
(2)妻が三十五歳から六十五歳未満であること。
(3)十八歳未満(障害者は二十歳未満)の子がいないこと。
です。
R子さんはこの条件に該当しますので、遺族厚生年金に「中高齢の加算」が加算されます。
「中高齢の加算」は、四十歳になってから六十五歳になるまで加算され、その後は「経過的寡婦加算」に変えて支給されます。(1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人)。
 また、十八歳未満(障害者は二十歳未満)の子がいる妻は、遺族基礎年金と子の加算額がプラスされますが、子供が十八歳以上になると、この二つが消え、六十五歳になるまで「中高齢の加算」が加算されます。
「中高齢の加算」の額は遺族基礎年金の額(七七八六〇〇円)の四分の三を乗じた額、五九四二〇〇円(〇六年度)です。「経過的寡婦加算」の額は生年月日により違います。
 「中高齢の加算」は、〇四年年金「改正」で、「三十五歳以上であれば四十歳からの加算」が、「四〇歳からの加算」は変わらないが、夫の死亡当時、「四十歳以上でないと加算されない」ことに改悪されました。(〇七年四月一日から実施)。




遺族年金とは? 
         (No.26)
Q 夫は厚生年金です。遺族年金とはどういうものか教えてください。

A 「死」は、年齢と同じように誰もが経験するものです。
 遺族年金は、その「死亡」により請求できる権利が起きます。(請求権。受給権の発生という)
 その条件はまず、「死亡」した人が、@公的年金に加入中か、A加入中に初診日のある病気や怪我が原因で初診日から五年を経過する前に死亡したとき。この二つは傷害年金と同じ納付要件(死亡日前に国民年金保険料を納めていなければならない期間があるときは死亡した人が三分の二以上納付・免除の期間)が必要です。B二級以上の傷害年金を受けとっているとき。(注)三級も良い場合もある。C老齢厚生年金をすでに受け取っているか、その必要な加入期間を満たしているとき。
 そして遺族年金を受け取る人(妻、夫、子、父母、孫、祖父母で、兄弟は入っていません)にも一定の要件が必要です。@受け取る人の前年の年収が八百五十万円未満であること。または五年以内に八百五十万円未満になることがはっきりしていること。
A死亡したときに、その人によって生計を維持していた(生計維持関係という)こと。これは健康保険等でいう扶養よりももっと広い意味があって、生前に「衣食住」を賄っていたという状態をさしています。そして
B妻以外には年齢制限があります。
 共済年金の遺族条件は同じですが、国民年金は、「子」か「子のある妻」しか遺族年金を請求することができません。



傷害年金受給の条件は? A   
    (NO.25)
Q 傷害年金のきびしい条件はわかりました。年金額はどうなりますか

 前回、@初診日が加入中であること、Aまたは六五歳未満で国内に住んでいる間に初診日があること、B決められた一定の保険料納付がされていること、などきびしい条件でことを述べました。
 だが、特例の一つとして、「国民年金未加入中に初診日であっても傷害年金が請求できる」場合があります。二十歳から六十歳未満の間で、例えば自営業から会社員になり、自営業に戻ってしばらくして、まだ国民年金の加入手続きをしていないときに初診日であっても、以前に国民年金保険料の納付期間が一定以上あれば請求できます。ただし国民年金の未加入期間中に初診日があり、傷害等級に該当した場合に、それから加入して保険料をさかのぼって納付しても傷害基礎年金は請求することはできません。
 このように、特例や経過措置がたくさんありますので、病気や怪我などで傷害年金に該当すると思われたら、社会保険事務所に相談することが大切です。 では、年金額を述べます。
 傷害年金は初診日のときに加入している年金(国民年金、厚生年金、共済年金)から受けとることになります。
 傷害基礎年金の一級の場合は、990,100円+子の加算顎、二級の場合は、792,100円+子の加算額です。子の加算額は、一人目・二人目の子(一人につき)227,900円、三人目から(一人につき)79,500円です。
 傷害厚生年金は、一級の場合は、一級の傷害基礎年金+子の加算額+報酬比例の年金額(平均標準報酬月額つまり平均月収×1000分の7.125×2003(平成15)年三月までの加入月数+平均標準報酬額、つまり標準報酬月額と標準賞与額×1000分の5.48×2003(平成15)年四月以後の加入月数)×1.25+配偶者加給年金額、二級は二級の傷害基礎年金+子の加算額+報酬比例の年金額×1.0+配偶者加給年金額になります。国民年金にない三級の場合は、報酬比例の年金額×1.0のみとなります。
 なお、傷害基礎年金と老齢厚生年金は、今まではどちらか一つでしたが、2006(平成18)年四月1日以降は両方とも受けとることができるようになりました。ただし六五歳からです。



年金受給の条件は? @       (NO.24)
Q 傷害年金はどういうときにでるのか、その条件を教えてください。  (守山区 P氏)

 
傷害年金は、傷害(病気・怪我)の状態によって傷害等級表がつくられ、一級および二級、三級と、傷害手当金があります。
 一級と二級は国民年金と厚生年金共通です。一級と二級に該当すると、傷害基礎年金と傷害厚生年金をうけとることになります。三級と傷害一時金は厚生年金独自です。
 したがって国民年金は一級および二級だけです。三級に該当すると傷害厚生年金をうけとる事になります。
 傷害手当金は初診から五年以内になおり、三級よりやや軽い傷害が残ったときに、一時金を受けとる事になります。
 障害年金を受けとるしくみは以上ですが、傷害年金を請求できる条件は次のとおりです。
@傷害となった病気やケガの初診日が国民年金または厚生年金に加入中であること、または加入が終わった後の六十歳から六十五歳未満で国内に住んでいる間に初診日のある傷害であることです。
A初診日から一年六ヶ月たった日、あるいは一年六ヶ月たたないあいだになおった日、どちらもこの日を傷害認定日といいますが、傷害年金の請求する権利が起きた日ということです。
B国民年金の保険料納付済み期間(保険料免除の期間を含む。厚生年金も国民年金に同時に加入している)が、その期間(二十歳以降初診日の前々月まで)の三分の二以上あること。または初診日前一年間の間の全期間保険料を払っていること。
C傷害年金は一級、二級、あるいは三級に該当することですが、該当しない場合は、その後六十五歳まで重くなり、一級、二級あるいは三級に該当したとき受けとることができます。
D傷害認定日に一級または二級に該当しなかったが、その後国民年金の加入中または六十歳から六十五歳未満までで国内居住中に新たに病気か怪我にかかり、六十五歳未満までの間に前の傷害とあわせると、はじめて一級または二級に該当したとき。
 以上が請求できる条件ですが、加入中であること、保険料納付期間の条件があること、六十五歳未満でまでの初診日であること、など厳しい条件となっています。
 このほかに、「二十歳前傷害」といって、二十歳前に初診日があり、一級または二級に該当したときは、二十歳になったら傷害基礎年金を受けとることができます。
 しかし一級または二級に該当しなかったが、その後六十五歳未満までに該当した、あるいは六十五歳未満までにその後新しく傷害が加わって一級または二級に該当したときも受けとることができます。
 以前は傷害福祉年金と呼んでいた年金がこの年金です。これも条件があります。本人の所得が決められた額を超えたときは支給が停止されます。



加入期間が、厚生・国民年金通算で15年。掛け捨てになるのでしょうか。  (No.23)

Q 60歳になるので、社会保険事務所で加入期間の確認をしたところ、厚生年金が35歳以降に10年と国民年金が5年だけで他にありません。老齢年金を受け取るには10年足らないといわれました。国民年金の加入は60歳までではないのでしょうか。また働いて厚生年金の方法もあるといわれましたがこの歳ではなかなか…。このままでは掛け捨てになるのでしょうか。
                                                       (愛西市 O子)

 老齢年金を受け取るには、厚生年金と国民年金の期間を合わせて25年の加入が必要ですので10年不足といわれたと思います。 方法が2つほど考えられると思います。
 一つには、働く場がなかなか見つからない場合に国民年金で不足分を納める方法です。国民年金には、老齢年金を受け取るのに保険料納付期間が不足していた場合に、60歳から65歳までの間任意加入という方法があります。65歳まで払っても不足している場合は、高齢任意加入といって、65歳から70歳まで保険料を払うことができます。60歳、65歳とそれぞれ加入手続きをしなければなりません。厚生年金と国民年金とで25年になった月の翌月から老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることになります。
 もう一つの方法は、最近の雇用状況はなかなか大変ですけれども、こちらのほうが近道です。厚生年金のみですと20年の加入が必要ですが、まだ現在35歳以降15年の特例があります。就職できて厚生年金に加入できれば、10年すでにあるのですから、5年間ですみます。同じようにその翌月から老齢厚生年金を受け取ることができます。そのとき65歳になっていたら、老齢基礎年金も同時にでます。断然有利と思います。大変ですけれど、就職できるように努力されるほうがよいと思います。
 しかし今現在のままですと掛け捨てになってしまいます。



Q 私は今年の2月で60歳になり、老齢厚生年金を受け取ることになりました。私たち夫婦は長年会社に勤めています。64歳の夫も現在働いていませんので、年金を受け取っていますが、最近、夫の年金が減らされました。どうしてでしょうか。
         (昭和区 N子)
                 (No22)

 329000円が通知書の支給停止欄に記載されていたのは、配偶者加給年金額のことです。
 配偶者加給年金額は、配偶者が65歳になるまで加算される(別記)のですが、夫婦とも20年以上厚生年金(共済年金も同じ)があり、夫婦とも満額の老齢厚生年金(退職共済年金)を受け取った場合、二人とも配偶者加給年金額が支給停止されます。したがって、夫の年金額が減額されたのです。
 これから、あなたが会社に勤め、厚生年金に加入して年金額が全額カットされた場合は、夫の配偶者加給年金額の支給停止が解除され、夫の年金がまた増額となります。また最近は、原則65歳からの支給に改悪されていますから、経過措置として、生年月日により満額年金(定額部分と報酬比例部分とも支給のこと)の支給年齢が遅らされています。満額年金が支給されるまでは配偶者加給年金額が停止されずに加算されたままとなります。あなたの場合は60歳から満額年金ですので、夫の配偶者加給年金が支給停止されたのです。
 なお、余談ですが、あなたの厚生年金(共済年金も同じ)の加入期間が19年11ヶ月以下であれば、夫の配偶者加給年金額は支給停止されません
(別記)配偶者加給年金額が加算される条件

@年金を受け取る人の厚生年金(または共済年金)加入が20年(原則25年)以上であることA年金を受け取る人と生計が同一であること(別居でもよい)B配偶者の前年の収入が850万円未満であること。またはおおむね5年以内に850万円未満が確定していることC配偶者が65歳未満であること。



Q 2004年の年金「改革」で、離婚によって夫の年金が分割されるようになったと聞きましたが、内容を教えてください。
           
 (北区 M子)       (No21)

 2通りの方法がつくられました。一つは07年(平成19年)4月1日施行の、「第三号被保険者がなくなるとも合意があれば分割される」方法。二つは、08年(平成20年)4月1日施行の「第三号被保険者のみを対象とした分割」です。
 一つ目から説明します。まず07年4月1日以降の離婚が対象です。そして当事者間の合意や裁判所の決定が前提です。分割の対象は、婚姻期間中(施行前の婚姻期間も対象)の、夫婦の厚生年金加入期間の標準報酬(報酬比例部分)合計の最大2分の1の範囲内で協議して決めることになっています。
 二つ目は、第三号被保険者の妻が分割請求することによって、夫の厚生年金(比例報酬部分)の2分の1を受け取れるという方法です。夫の合意は必要ありません。しかし、分割の対象となるのは、施行08年4月1日の第三号被保険者期間に当たる夫の厚生年金期間です。
 日本の女性の年金は低い。分割によって若干高くなるでしょう。しかし、男性側は年金額が少なくなり、低額年金者を増やすことになるのではないでしょうか。



高齢任意加入で、老齢基礎年金の「繰り下げ」支給の申し出はできますか。

Q 私は昭和15年5月3日生まれの66歳です。国民年金のみの加入ですので、少しでも多く受け取りたい。でも、65歳の時、25年に足りず、高齢任意加入で不足期間をかけました。その場合でも、老齢基礎年金の「繰り下げ」支給の申し出はできますか。

                (西区 S子)
            (No20)

 高齢任意加入は、老齢基礎年金を受け取る権利(25年、300月)ができるまで保険料を納付するものです。老齢基礎年金を受け取る年令は65歳からですが、期間不足で、65歳以降に老齢基礎年金を受け取る権利ができた場合「繰り下げ」支給の申し出は、権利が起きた1年経過したあとにできます。
 ただし、1年経過後の年令が67歳であっても、66歳時点の「繰り下げ」支給率(112%)からとなります。そして支給率の考え方は、あなたの場合、昭和16年4月1日以前の生まれですので、年単位の支給率です。誕生月に申し出ができず、1月ずつ遅れると、それだけ損をすることになります。ですから、あなたの場合は誕生月に申し出てください。
 昭和16年4月2日以降に生まれた方の「繰り下げ」支給率は、2002年(平成14年)4月2日から、年単位から月単位の考え方に変わり、月ごとの加算率0.7%がつくことになりました。
 1年で見ると低くなりました(66歳からですと108.4%)が、申し出が遅れても損をすることがなくなりました。
 「繰り下げ」支給の申し出は70歳までです。それ以降は支給率が同じです。



「三号未納」って?


Q 私は今年65歳になります。結婚してから働いていません。厚生年金は一時金をもらって無いです。最近「三号未納」という言葉を聞きましたが、教えてください。夫は途中退職しています。   
           (K子)     (No19)
                   
 
その退職は1986年(昭和61年)4月1日以降ですか。次の就職までに空いていますか。
ーはい、そうです。半年空いています。
ー86年4月以降、国民年金が基礎年金となり、第三号被保険者制度ができました。被扶養配偶者の人が該当です。ただし、夫の職業に変更があるごとに届け出ることになっています。現在は健康保険の被扶養者と一緒になっていますので、漏れることがなくなったのでよいのですが、少し前までは個人で届け出なければならなかったのです。あなたの場合、夫の退職で、夫とともに第一号被保険者(直接国民年金保険料を納める)となり、夫が再就職したときに、第三号の届け出をしなければなりませんでした。
ー届け出していません。
ー社会保険事務所の記録上は、86年4月から60歳になるまで第三号のままになっていますが、夫の退職以降の三号期間は全部とりけされてしまいます。(これを「三号未納」という)。
 しかし、昨年の4月以降「三号未納」について三号の届け出をすれば、これには時効がなく、86年4月までさかのぼって認めてくれます。以前言われたことのある方もできます。また、すでに年金を受け取っている人も、「三号未納」があれば、届け出た翌月分から加算されます。この「三号未納問題」は、私たちの運動の成果です。


Q 昭和7年生まれで年金を受け取っていますが、最近若い時に半年働いていた同僚と偶然会って、年金の話題になり、年金請求時には思い出せなかった会社名がわかりましたが、今からでもその分については加えてもらえますか。
                 
(豊橋市 K朗)  
      (No18)

 年金の時効は5年(保険料は2年)です。しかし年金の時効の考え方は、5年が過ぎたからといってその権利が全面的に失うということではありません。今回のように加入している期間(会社名、勤務期間など)を後で思い出したりとか、制度を知らなくて5年過ぎてから請求したとしても、請求手続きをしてから5年前までさかのぼって計算されて受け取ることができます。でも、5年過ぎた分は時効ですので消滅(失効)という考え方です。したがって、あなたの場合は、年金手帳(年金証書でもよい)を持って、すぐに最寄りの社会保険事務所の年金窓口に行ってください。加入当時の年金番号と加入期間などを調べる所定の用紙をもらい、その場で書いて提出してください。コンピュータに入っていないときには少し時間はかかるかもしれませんが、見つかり次第解答が送付されてきます。加入されていれば、後ほど、「年金額改定通知書」が社会保険庁より送付されてきます。
 このように、年令が高くなればなるほど若いときの記憶が薄れたりしますので、何らかの形で常にメモをしておくとよいかと思います。せっかく長い間保険料を払ってきたのですからこれで損することはありません。また制度を知ることも損をしない事につながります。子や孫にそのことを伝えていくことも大切なことだと思います。



Q 私は1946(昭和21)年生まれです。厚生年金と共済年金合わせて40年加入しましたが、年金の手続きの方法を教えてください。

                   
(祖父江町 Y男)  
         (NO17)

 60歳の前日に年金請求権が起きますので、厚生年金は住所地管轄の社会保険事務所(在職中は会社の管轄社会保険事務所)に請求手続きを、共済年金は加入の共済組合に請求手続きをしてください。そえる書類については、社会保険事務所(共済組合)に確認してください。
 60歳の誕生月の翌月からそれぞれ2階部分の比例年金が出ます。そしてあなたの場合は63歳から、1階部分の定額年金が合わせて出ます。(女性は61歳からー厚生年金。 一年金制度で44年以上加入の場合は60歳から)
 とりわけ65歳になった時の共済年金に注意が必要です。厚生年金も共済年金も、64歳までは「定額年金+比例年金」で出ますが、65歳からは定額年金が「基礎年金」に変わりますので、出る元が厚生年金と同じ「社会保険庁」となります。したがつて、厚生年金は誕生月の初旬に届く「請求」ハガキを返送するだけで良いのですが、共済年金は「基礎年金」の請求手続きを60歳にしたのと同じように「社会保険事務所」にしなければなりません。もらすと、共済年金が出ないということになります。共済年金からは比例年金だけです。



共済年金と厚生年金との遺族年金は?

Q 前回、「短期」と「長期」の支給要件の言葉が出てきましたが、その要件の内容をもう少し詳しく教えてください。

                        (弥富町 女性)            
(No15)

 一つ目の「短期の支給要件」は、@厚生年金保険または共済組合の加入中に死亡したとき。A厚生年金保険または共済組合の加入を退職などでやめた後、加入中の時に初診日がある病気(けが)により、その初診日から計算して5年以内に死亡したとき。B傷害等級が1級または2級の傷害年金(旧の法律も含む)を受け取っていて死亡したとき。
 二つ目の「長期の支給要件」は、@老齢年金(退職共済年金)もしくは旧の法律の老齢年金(退職年金)または通算老齢年金を受け取っている人、または厚生年金保険(共済年金)の加入期間が25年以上ある人が死亡したとき、です。
 なお、「短期」「長期」ともに該当するときは、遺族年金を請求するときに「長期」を希望しないかぎり、「短期」に該当するものとされます。

 

共済年金と厚生年金との遺族年金は?

Q 夫が死亡しましたが共済年金に30年と厚生年金に10年加入していました。遺族年金はどうなりますでしょうか。

                      
(弥富町 女性)     
       (No14)

 今回のケースは、共済年金単独でも退職共済年金を受け取っていました。これを長期要件の遺族年金といいます。厚生年金も10年ですが、老齢厚生年金を受け取っていましたので長期要件の遺族年金になります。長期の遺族年金同士は、二つあわせて一つの報酬比例年金として考えますから併給されることになります。(別表参照C)。年金額は実加入期間で年金額を計算します。なお、在職中の死亡で加入期間が短い場合などは短期要件の遺族年金といいます。この場合は、実加入期間が短いため、一つの年金として意味のない額となることから、加入期間を300月(25年)とみなして計算され、遺族厚生年金・遺族共済年金それぞれ一つの報酬比例金として機能することから、どちらか一方を選択することになります。(別表参照)

遺族厚生年金と遺族共済年金の併給調整表

        共済組合

厚生年金保険
短期の遺族年金 長期の遺族年金
短期の遺族年金 選択@ 選択A
長期の遺族年金 共済支給B
厚生不支給
併給C



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