ミズノ製カーボン・フォークについての余談

先日、雑誌の写真を見てて気づいたのだが、300g台前半という世界最軽量を誇るミズノ製カーボン・フォークMD-01Fのブレードには、「AntiResonanceDesign」さらに小さな文字で「ModalAnalyzed」と記されている。
開発に関わった技術者たちが、ある意味自己満足で書いたものと思われる。(気づく人が何人いることか?)

AntiResonanceDesignとは、訳せば”非共振設計”とでも言えるだろうか。
フロントフォークが共振するとして、私が思いつくのは、下記の2つである。
  1. 走行時に路面からの振動が、加振源となる強制振動
  2. ブレーキング時にシューとリムのスティックスリップによる自励振動
この内、1は路面からの振動は、ランダムで決まった周波数を持っているとは考えづらいので、没。
ということは、非共振設計とは「ブレーキング時のびびりを回避する設計」と言うことなのだろう。

ではどの様にして回避しているかだが、自励振動を防ぐには、「自励力の発生機構(摩擦力)を除去する」か「減衰力を大きくしてやる」かしなければならない。ブレーキングにおいて摩擦力は必要なので、減衰を大きくするしか方法は無いだろう。
カーボンは、クロモリに比べ減衰が大きいと言われているので、共振を回避することが出来ているのだろうか。
カーボンには、さまざまなヤング率の物があるし、異方性材料でもあるので何か細工できるのかもしれない。(案外フォークの中に、動吸振器なんか入ってたりして)

次にModalAnalyzedであるが、これは「実験モーダル解析やってますよ」ということであろう。
何年か前に、雑誌か展示会かで、フォークの解析結果の絵(モードシェイプ)を見たことがある。
解析ソフトは、「VIBRANT PC(丸紅ハイテック)」だったような。私も数回使ったことがあるが、余り使いやすいソフトじゃなかった。カーブフィットしづらいし、FEモデルとの相関解析も弱かった。(今は、「VIBRANT GEN(丸紅ソリューション)」となり、大幅に改良されているとのこと)まぁ使う方の技術もいまいちなんだけど。


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