フレンズ便り 第24号 2006年4月

 
第6回「高次脳機能障害学習会」を終えて

 第6回「高次脳機能障害学習会」を平成18年2月26日(日)、瀬戸市保健センターで開催しました。今回は過去最多の74名が参加され、充実した勉強会になりました。以下に学習会の概要を報告します。

 
テーマ1「高次脳機能障害支援モデル事業で見えてきた事」
    脳外傷友の会「みずほ」副会長 古謝 由美氏

 先ず、高次脳機能障害の主な症状を一つ一つ判りやすく説明されたあと、高次脳機能障害者生活支援事業「三重県モデル」を紹介頂く。三重県モデルは、受傷後の急性期、回復期の治療を病院と身体障害者総合福祉センターが連携し、「連続したケア」を行うことを重要視した包括的システムで、全国的にも注目されている。
 また、「高次脳機能障害支援センター」での支援コーディネーターに求められる役割や、「障害者自立支援法」における高次脳機能障害者のサービスの利用のしくみ等を解説され、最後にこのモデル事業を期に高次脳機能障害の診断基準の活用や、生活支援体制の充実を強く望みたいと締めくくられた。

テーマ2「求められる地域支援」
   名古屋市総合リハビリテーションセンター 福祉部更生施設課 生活支援員 加藤 朗氏

 最初に、当事者の社会生活を支援するシステムの考え方や、リハビリテーションの流れ、障害認識の重要性等を説明される。そして、生活支援、就労支援の実際のやり方や、地域支援システムのポイントを判りやすく説明頂く。 本題の「求められる地域支援」として、「サークル・フレンズ」がどんな支援を望んでいるのか、当事者家族、ボランティア等の立場から意見を求められ、以下の課題を今後進めることとなった。

 @ 地域の病院、福祉施設等の支援ネットワークを作るため、「サークル・フレンズ」や、「フレンズ・ハウス」の活動内容を紹介する学習会をもっと頻繁に行う。

 A 高次脳機能障害者を支援する専門家やヘルパーの養成講座等の開催を検討する。
養成講座は「みずほ」が今後実施していきたい。また、講座の中で「フレンズ・ハウス」を実習の現場として活用する事を望む。

 B 今後、「サークル・フレンズ」として具体的な要望や支援内容をまとめて、行政や地域の支援団体に相談し、より充実した支援ネットワークづくりに取り組む。

 参加頂きました皆様、大変ありがとうございました。

□学習会での質疑および懇談会から

 
.高次脳支援モデル事業が、この3月で終了するが、結局、その成果は何だったのか?

.「医学的診断基準〜基礎的訓練プログラムは確立した」が、その後の復学〜復職などの、社会参加支援の体制づくりは、まだまだ。そこはどうするの? ではなく、家族当事者が声を出して、行政や専門家を動かしていくしかない。「成果はこれから、作っていくもの」

Q.自立支援法の中で、高次脳機能障害者はどう位置づけられるか?どのようなサービスが受けられるか?

A.従来の「身体障害、知的障害、精神障害」に新たに、「高次脳機能障害」が位置づけられるわけではない。自立支援法では、3障害を統合し、障害者認定を受けた方々には、共通のサービス体系を構築できるようになる。(地域の資源の相互利用は積極的に推奨されるのだが、実態は??である)。身体障害があれば、身体障害者として、身体障害がなければ、精神障害者として、認定される方向になると思われる。(高次脳支援モデル事業の流れでは、高次脳のサービスを構築する財源として、明確に、精神障害者の財源を想定していた)

Q.モデル事業拠点病院連絡協議会では、「医学的診断〜プログラムは確立した。その後の社会参加支援は、成功例が非常に少なかった。地域支援はこれから、県〜市町村単位で組み立てていかなければならない、と大きな課題(宿題)が残された」とのことだが、何がどううまく行かなかったのか?

A.「サークル・フレンズ」を例にとっても、ほぼマンツーマンに近い形での個別ケアが必要となるほど、多様な障害像を示す。 (日々変動のある)高次脳機能障害者の受入体制を組み立てるには、ていねいで、かつ多様な支援。究極は、マンパワーが必要であり、超えられない壁となっている。
 この場合、高次脳機能障害のことを理解し、かつ、社会参加支援の見通しについて見極めのできる支援者、専門家が求められている。「高次脳ヘルパー養成講座」等の人材育成が急務であろう。
          
Q.毎日つきっきりでケアをし続けている、家族が病気の時、当事者はどうなる?家族が病気にならないまでも、家族がリフレッシュできるような仕組み、例えば、月の3日でもいいから、預かってもらえるところはないか?

A.地域生活支援とは、継続的で包括的な支援体制が必要である。まずは、身近な支援者として、家族が支え続けるしかない構造。家族を支援する体制づくりが急務。
 ★ 家族がダウン → 支援がストップ→ 一度崩れた生活を再構築するのは何倍ものエネルギーと時間が必要、家族がほっとできる時間。
 ★少しの時間でもいいから、障害者と離れてリフレッシュしたり、学習会に参加したり。その為の日中預かりサービスとして、私的契約のレスパイトサービス(一時預かりサービス)という実践例がいくつもある。         (講師備忘録より)

□学習会の感想

 学習会が閉会し、まず始めに湧いた気持ちは「これから大変だなぁ…」でした。講師の先生方からは『当事者家族の方々もできる範囲で、支援者・専門家探しをやっていきましょう!』という呼びかけでした。医療・福祉・行政関係者の方々からは「モデル事業で得た成果はどんな事がありますか?そして残された課題はどんなことですか?」「どのような支援をして欲しいですか?」など家族としてとても嬉しく、又興味深い質問が多々ありました。
 では、私たち当事者家族がこの地域でできる事は何でしょうか? まずは当事者家族が集まり一丸となって共有の目標を持つ事ではないでしょうか。私たち当事者家族の集まりの話し合いの中から、支援者の方々に「望む・欲しい支援」を明確にして訴えていかなくてはいけないと思います。
 障害の症状も十人十色、家庭の中での辛い事・困った事等でも、当事者家族の集まりがあれば互いの気持ちを話し、聞き、そして支え合いながら、この地域で心豊かに暮らしていける方法が1日も早く見つかるかもしれない…と私は思います。     (当事者家族)
 
 加藤 朗先生の講演テーマ「求められる地域支援とは?」の締めくくりに、『学びあい・支えあい・育ちあい』という言葉がありました。「あ、これだ!私たちボランティアのできることとは、このことなのだ。」、何となく迷っていた自分の立場と目指す方向が見えたような気がしました。「当事者・家族の方達の良き支援者になる・・言葉で言うようには出来そうにない。」と思っていましたが、堅ぐるしく考えないで、自分に出来ないことは出来る人にやってもらえばいい、自分に出来ることがあれば一緒にやっていく。『学びあうこと・支えあうこと・育ちあえること』この気持ちを持ち続けて今後とも活動できれば良いなと思います。そして私たちのグループが、一層、地域に根ざし広がって行くことを期待します。 (フレンズボラ)

 5年間続けてきた学習会は、「高次脳機能障害支援モデル事業」の期間と重なり、より多くの方々に関心を持って参加して頂きました。わずかですが地域社会の理解も得られたのではと思っています。これからも、参加者のニーズにあった学習会の開催や情報提供をして行きたいと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。
そして、私たちもこれからの進む方向をしっかりと見定め、前進したいと思います。 (主催者家族)

楽しいな!「おこしもん」作り♪


 2月27日(月)に、「おこしもん」作りをしました。
「おこしもん」はこの地方(瀬戸市)に古くから伝わる郷土菓子です。米の粉で粘土遊び?をして、みなニコニコ!

ジャスコ瀬戸店(イオンデー)のイエローレシート登録団体になりました!
 
毎月11日に実施されるイオンデーの日に買い物をされますと、イエローレシートが発行されます。そのレシートを1階北側店頭に設けられた「サークル・フレンズ」の箱に投函して下さい!投函金額の1%がフレンズに還元されます。 皆様のご協力をお願い致します♪

フレンズの美味しいクッキーはいかがですか♪ ご注文は事務局までお願いします

 フレンズクッキー:100円       アーモンドクッキー:200円 
 ピーナツクッキー:200円        クルミクッキー:200円  
 コーンフレーククッキー:200円   ダークフルーツクッキー:300円 

「フレンズ便り」一覧に戻る