フレンズ便り 第32号 2007年11月 「サークル・フレンズ」

 

 第5回わいわいフレンズ祭り」を終えて


 去る9月15日(土)、活動拠点「フレンズ・ハウス」の開設6周年記念行事「第5回わいわいフレンズ祭り」を盛会に行いました。
 開会の挨拶に続き、おやじバンドの「踊るポンポコリン」演奏でオープニング、ボーカルの軽快な歌に合わせて一気に盛り上がりました。
 続いてマジックショー!マジックの大好きな子供たちやフレンズの仲間は、目を輝かせてマジシャンの手元を見守ります。そして、ゲームや体験・バザーが始まると一目散にお目当てのコーナーへ。
 年々参加者が増え、嬉しさ一杯でした。
 今年はもう一つ嬉しいことがありました。フレンズの仲間が初めて自分たちの店を出し、作品を販売したのです。お買い上げ下さった皆さまのお陰で、仲間に夢が広がりました。頑張るぞ!!
 途中から降り出した小雨にも負けず、皆様の盛り上げのお陰でお祭りはフィナーレへ。雨も上がったフィナーレは、昨年に続き“效範小学校バトンクラブ”の皆さんによる華麗なバトン演技でした。夏休み返上で練習して下さった演技は、華やかで力強く、会場の皆さんから拍手喝采を受けました。        
 終わってみれば、今回のお祭りも『地域とのふれあい・交流』のテーマ通り100人を越える地域の皆様方のお世話になり、前日の準備・当日のスタッフ・後片づけまで気持ちよくお手伝いをして頂きました。毎回感じる事ですが、お祭りの楽しさもさることながら、お手伝いして下さる方々とのふれあいこそが私達にとってかけがえのない宝物です。本当にご支援・ご協力ありがとうございました。
「サークル・フレンズ」一同

 第8回「高次脳機能障害学習会」〜脳について学ぼう!〜を終えて

 平成19年9月30日(日)、第8回「高次脳機能障害学習会」を開催した。
講師は、愛知県立大学文学部 社会福祉学科 専任准教授の吉川雅博氏、
テーマは「脳について学ぼう」。
参加者は当事者・家族・ボランティアなど64名で、ユーモアたっぷりの吉川先生の話に引き込まれあっという間の90分を過ごす。
講演の進め方は、症状から見た脳の機能を学ぼうという切り口であった。

少しまとめてみると次のようになる。

*脳の表面から大きくわけて考えると、
1.大脳皮質=考える脳、2.大脳辺縁系=感じる脳、3.脳幹=生命の中枢となり、1の大脳皮質が人間らしさを作る高次脳機能と言えるところ。

*大脳皮質(脳の表面に近いところにあるらしい)は、
 機能の局在といって部分ごとに機能・役割が分かれており、どの部分が損傷されたかで症状は変わってくる。たとえば、同じ失語症でもその症状は様々である(聞く機能、聞いた言葉を処理する機能、言葉を組み立てる機能、言葉を発する機能などなどに分かれる)。ただし、これもすべて解明されているわけではない。

*具体的な障害の例として、「失行とは、運動機能そのものが障害されたわけではないが行為の障害がある」「失認とは、感覚障害はないのに、見たり・聞いたり・触ったりしてもそれが何か分からない障害」「失語とは、一旦獲得されていた言語が使えなくなることで、話すこと・人の話を聞いて理解すること・書くこと・読むことの障害」であり、これらはさらに細かく分類される。

少し専門的な話だったが、日頃不思議に思っていること、わからないこと、どう考えていいか悩んでいること等が解き明かされた感があった。
脳のしくみは、障害を受けるとすべてができなくなるわけではなく、「“できるところ”と“できないところ”がでてきた」と考えるのが良いのではないか。
「“できないところ”をできるように頑張る事も必要だが、受傷してしばらくたったら、残された“できる機能”を伸ばしていくことがより大切なのではないか」とアドバイスを受け、家族にとっては当事者をよりよく理解するいい機会になったのではないかと思う。

講演会の後は、吉川先生にアドバイザーをお願いして、当事者・家族とボランティアで懇談会をもった。家族からの発言も多くあり、「サークル・フレンズ」の活動もまた少し前進できた良い会であった。

 三重県のセミナーに参加しました

 去る8月26日(日)三重県総合文化センター視聴覚室に於いて開催された「第13回高次脳機能障害者地域支援セミナー」に、フレンズの仲間4人で参加しました。
 講師の岐阜医療科学大学教授・阿部順子先生による「高次脳機能障害のリハビリテーション:疾患別の支援方法について」の講演があり、実践を通してのデーターや事例を基に分りやすくお話下さいました。特に、『支援として長期のフォローアップが必要であり、支援していきたい』との言葉が家族として嬉しく印象的でした。

 「脳外傷友の会全国大会2007inしが」が開催されました

 去る9月29日(土)第7回脳外傷友の会全国大会が滋賀県大津市雄琴で開催されました。私たちは観光旅行を兼ねて、3家族6名の仲間で毎年全国大会に参加しています。
 今年のテーマは「私たちは働きたい、この街で暮らしたい」でした。
 基調講演は厚生労働省の浜島氏が、
「高次脳機能障害のための雇用支援施策」について話されました。
 障害者雇用に対する国の考え方や職業センターの活用による雇用までのプログラムなど、参考になるお話が沢山ありましたが、実際の活用となると問題が多々ありそうでした。
 当事者の体験発表では、作業所に通所している方や、非常勤職員として小学校で「子どもと親の相談員」をされている方のお話を聞きました。働きたい意欲が伝わる発表を聞きながら、誰もが自分たちの街で豊かに暮らして行ける事を願わずにはおられませんでした

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