フレンズ便り 第42号 2009年11月 「サークル・フレンズ」

 
 生活版ジョブコーチ養成研修に参加しました

 9月14日から3日間、名古屋市総合リハビリテーションセンターで行なわれた「生活版ジョブコーチ養成研修」に夫婦で参加しました。この研修は、今年から3年かけて生活版ジョブコーチの養成を日本損保協会の助成金を活用して実施するものです。受講対象者は、当事者の家族や支援者で、全国から26名が参加しました。

 生活版ジョブコーチとは、「高次脳機能障害者の生活場面に立ち入り、専門的な知識・技術を活用して日常生活が送れるように援助する人」のことです。

 高次脳機能障害者は、日常生活場面で自立ができていない人が多く、在宅でその人のニーズに応じた助言や支援をすることにより自立度をあげようというものです。そのコーティングのノウハウを習得するのが研修の目的です。

 第1回目の今回は、どうやってケアニーズをつかみ適切な支援方法を計画し実施していくかを学んだ後、モデル例を使ってグループ演習と発表を行ないました。

 生活版ジョブコーチのポイントは、「当事者のできる能力をうまく引き出し本人が興味を示す方法で代償手段を見つけ繰り返し練習することです」と教えていただきました。

(記:豊田 烈)

<生活適応援助者(生活版ジョブコーチ)養成研修プログラムの概要>
第1日目(9月14日)
・主催者挨拶とオリエンテーション
・研修事業の概要、障害特性と生活場面における課題、生活版ジョブコーチの職務
・高次機能障害とケアマネジメント、家庭訪問と面接、行動障害への適応
第2日目(9月15日)
・アセスメントとケアプランの実際、プランニングと代償手段の実際、アセスメントの考え方と実際
・プランニングの考え方と実際
第3日目(9月16日)
・モデル事例を用いて演習の解説、グループ演習、グループ発表、全体講評
・今回のまとめと後期研修ガイダンス

 家族勉強会”家族支援について”

 
 去る9月13日、「フレンズ・ハウス」において第21回家族勉強会を行いました。
テーマは前回に引き続き「高次脳機能障害者に対する家族支援」についてでした。
講師は元名古屋市総合リハビリテーションセンター更生施設指導員の松場茜巳さんにお願いしました。松場さんは5年間の更生施設指導員としての体験をもとにお話しくださいました。

 家族は当事者のキーパーソン、本人の「今まで」を知っている、本人の一番身近にいる、本人を支えられる、本人を一番想っている、本人のために無償で努力できる。反面、」家族は本人への愛が深いため本人を客観的に見ることが難しい。また、本人の「できないこと」を受け入れるのが難しいなどがある。そのため、本人を家族だけで支えるのは難しく、支援者の協力を得ることが大事である。

当事者支援は、家族・支援者が一体となり全員一致で一貫した対応が必要と教えてくださいました。

また、本人にあった代償手段を利用して家事訓練(掃除・洗濯・調理)、外出訓練の事例もお聞きすることができ、とても参考になりました。

 サークルエコーの合宿に参加

 去る10月17日〜18日(1泊2日)、娘の所属するサークルエコー(低酸素脳症者を中心とするグループ)の合宿が富士吉田青年の家(山梨県)で開催され、母娘で参加しました。
 昨年に続き、「大いに語ろう会」〜住まい・暮らしについて〜がテーマでした。
家族は、ケアセンターふらっと施設長「和田敏子氏」の講座「地域で進めるあきらめない回復支援」や、「赤塚光子氏(全国障害者生活支援研究会会長)のコーディネートで「住まい・暮らしについて」の個人発表やグループ討論などがあり、時間が足らないほどの盛り上がりでした。

 一方、娘たちも別室でボランティアスタッフの皆さんと楽しいひと時を過ぎしましたが、今年は本人たちも自分の住まいについてボラさんと話し合ったそうです。合宿で当事者とボラさんの関わりが年々強化されていることをうれしく思いました。

 私にとって年に一度の合宿は仲間に会える貴重な時間です。今年も皆さんと夜遅くまでいろいろな問題を話し合え良い刺激になりました。
 また、解散後に仲間と西湖周辺をドライブ、美しい富士山を眺めながら家族間のつながりがより深まったことも楽しい思い出です。

(記:豊田幸子)

 パソコン・サークルのご紹介

 「パソコン・サークル」は、平成14年、「サークル・フレンズ」の活動支援を目的に発足した会です。月に2回、障害当事者/地域ボランティア/パソコンボランティア/当事者家族を中心に活動しています。各々が形にこだわらず興味のあるもの/できるものを中心に、毎回わいわいがやがや楽しい時間を過ごしています。7年もの間継続してこられたことをみなさんに感謝しています。この間、みなさんの実力も目を見張るものがあります。興味のある方は、ぜひ一度みなさんの格闘ぶりを見に来てください。

 パソコン・サークルの感想

障害当事者Aさん:パソコンで絵を書いています。「詩」は、大西先生と一緒に考えています。楽しくパソコンをしています。
(7年間蓄えた作品はAさんの宝物です)

パソコンボランティアBさん:ボランティアとしてお絵かきソフト「ペイント」を使い、花の絵を描き、詩を添えるお手伝いをしています。それは、毎回季節の花と出会い、印象を絵・文字にするスリリングで楽しい時間です。お互い充実した楽しい時間ですね。「より多くの人とそのような時を持てればいいな」と思っています。
(意外なところに隠れた才能が眠っているものです、毎回素敵な詩が絵を引き立てています)

地域ボランティアCさん:今、ブログにはまっています。ブログ友達もでき、コメントのやりとりをしたり、実際にあって一緒にお茶を飲んでおしゃべりをしたこともあります。また、皆でカレンダー作りもやっています。それが終われば年賀状作りにも挑戦。パソコンでいろいろのことができるようになり、たのしくやっています。
(年齢を超越した興味とやる気に毎回頭が下がる思いです。すてきなことですね。)
    
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