フレンズ便り 第46 2010年9月 「サークル・フレンズ」

 
 講演会「高次脳機能障害を理解する」に参加して

 平成22年7月25日、朝日新聞厚生文化事業団主催の講演会が、愛知県で活動している家族会4団体も協力して、「朝日ホール」で盛大に開催された。参加者は約300人。
 テーマは「高次脳機能障害を理解する〜私たちにできること」と題して、四部構成であった。
 まず映画「ガチ・ボーイ」のメイキングビデオ「物語と現実が交わる瞬間」の映像で、映画のモデルになった石井雅史(競輪選手)さんが、映画のストーリーの途中で感想や解説を述べるといった内容だった。一般の方に「高次脳機能障害者」は、どんなことが出来、また出来ないのかを紹介し、どんな悩みを抱えているかも現実の取材を通して紹介された。
 次に、石井雅史さん、智子さん夫妻と、映画製作のアドバイザーを担当された橋本圭司先生(国立生育医療センター・リハ科医長)の縣談「当事者と家族から伝えたいこと」であった。
 橋本先生は、石井さんの担当医でもあることから、事故後の経緯の中で、リハビリにどのように取り組んできたか、昨年の北京パラリンピックで金、銀、銅メダルがどうして獲れたのか、妻智子さんは、その間どうして獲れたのか、妻智子さんは、その間どんな気持ちで本人に接したのか、等々質問された。そして、石井夫妻の生の気持ちを引き出すよう司会進行された。
 大切なことは本人の興味を示すことから取り組んでもらうことや、家族に対するケアがとても大切であること、などが浮き彫りになった。
  第三部は、橋本圭司先生の講演「高次脳機能障害の理解」と題して、高次脳機能障害の事例を紹介しながら、その対応策やリハビリの指導法を具体例で説明された。大変参考になった。
 第四部は、当事者の父親で精神科医の納谷敦夫先生から「地域で支援を考える」と題して、納谷クリニックで実践されている事例や、オーストラリアなどの海外事例を紹介されながら、家族、地域の支援のあり方について講演された。この講演も大変参考になった。
 今回の講演会は、当初東京、大阪のみの開催予定だったが、反響が大きかったため、福岡、名古屋でも開催することになった。朝日新聞厚生文化事業団とその関係者に感謝したい。
 そして、この講演会を機に、高次脳機能障碍者の理解が一層進み、支援の輪がさらに広がることを多いに期待したい。
(豊田 烈)

 第26回家族勉強会を行いました

去る7月11日(日)「フレンズ・ハウス」に於いて家族勉強会を行いました。
講師はフレンズアドバイザーの吉川雅博先生(愛知県立大学准教授)にお願いしました。
今回は吉川先生より「高次脳機能障害当事者ひとりひとりの現状把握をし、その情報をもとに参加者が意見を出し合う「事例検討」のようなことをしたい」と提案を頂きました。その第1回目として、ICF(国際生活機能分類)整理シートに各自の現状について記入し、検討しました。
概要
「現在、ICFは福祉・医療・教育の共通語になりつつあります。ICFは個人の生活機能・障害の状況とそれに関連する環境を評価することが本来の目的ですが、ICFの分類項目を利用すれば、広い視野から当時者の現状が客観的に明らかになります。また、出来ないマイナスの面だけでなくプラス面も考える必要があり、同時に家族の当事者へのかかわり方も見えてlくることから、現在ではICFの分類工項目を利用した現状把握が主流になっています。」と話されました。
*ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health)は、2001年5月に開かれたWHOの総会で採択された機能障害と社会的不利に関する分類である。ICFでは、人間の生活機能と障害について、「心身機能」、「活動と参加」、「環境因子」について、約1500項目に分類している。
勉強会で利用したICF整理シートは、「心身機能・身体構造」「参加」「環境」「個人因子」に分類され、プラス面とマイナス面を書けるようになっていました。
先生より分類の定義について説明を受けましたが、なかなか記入するのは難しく、記入例を参考に全員が頑張ってシートに記入しました。その後、記入したものに一人ずつ発表しましたが、やはりプラス面よりマイナス面が多く出されました。
発表の抜粋から
・受傷から10年経ち、高次脳機能障害と診断された。これがきっかけで障害受容が出来、今まで無理だった社会参加ができた。また、家族間でも会話ができるようになった。
・障害者のデイサービスを週3回利用している。体幹障害、気分にむらがある、正義感が強くなりルール違反が許せない。人(家族も含め)に依存しない。2日位なら一人で留守番が出来るようになった。ただし、食事の準備など全てを整える必要あり。
・やさしい子で母親思いである。家族依存が強く他人とかかわろうとしない。引きこもりに近い状態。
・身体的には元気で、日常会話はスムーズに出来る。興味あることには参加意欲はあるが家族の助けが必要。日常生活はほぼ安定しているが、段取りが悪く非常に時間が掛かるし、指示したこともしばらくすると忘れてしまう。リハビリを受け代償手段としてメモを取れるようになった。
・作業所へ一人で通所できるようになり9年が経つ。簡単な料理も作れるようになった。こだわりが強く対応に苦労する。住まいに関してもグループホームなど他人との生活はこだわりが強くて無理ではないかと思っている。
・先生:決め付けないで実際にやってみないと判りませんよ。案外暮らせるのでは。

 日帰りバス旅行に行きました!

去る6月7日に瀬戸市の福祉バスをお借りして、「北国街道と黒壁スクエア」(滋賀県長浜市)へ親睦野外活動に出かけました。
北国街道沿いの一角にある、ガラスをテーマにした風情たっぷりの町並み「黒壁スクエア」は、見所が一杯ありましたが、中でもサンドプラス
ト体験(ガラスに絵柄を描きスリガラス状に加工する)は、参加者全員で作品作りを楽しみ良い思い出になりました。
世界に一つのグラスで毎晩晩酌を楽しんでいる人、もったいないから飾っている人・・・みやげ話しにも花が咲きました。
〈黒壁スクエアで”はいチーズ!”〉〈サンドプラスト体験中〉〈世界に一つのグラス〉

 新しい「フレンズ・ハウス」の看板を作りました!

8年前に仲間のお父さんが作ってくれた「フレンズ・ハウス」の看板が古くなり、作りかえることになりました。
今回はいつもお世話になっている近所のFさんが看板を作り、Fさんの提案で仲間が絵を描きました。
出来上がった看板はしっかりと取り付けられ、一安心です。とても楽しい看板で目立ちますよ!

 木工細工を楽しみました!

アクティブシニアネットせとの木工担当者を講師に迎えて、間伐材の木っ端を利用した木工細工を楽しみました。
全員がフクロウとサルを作りましたが、フクロウは目や鼻の位置で表情が変わるので苦心しました。サルは目や鼻の部品が細かくて、落とすと探すのにひと苦労、くっつけるのも大変でした。
でも、出来上がりは大満足!
 マインドフェアーに出店しました

去る8月7日(土)尾張旭市の福祉マインドフェアに高次脳機能障害のPRを兼ねてバザー出店しました。猛暑の中、多くボランティアグループが高齢者擬似体験、介護体験、子供マジック、エコ工作、絵手紙など沢山のコーナーを催していました。
「サークル・フレンズ」のコーナーにも「先日のニュースで高次脳機能障害を知りましたが・・・」と関心を示して立ち止まって下さる方がありました。

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