フレンズ便り第73号
2016年1月「サークル・フレンズ」

 
新春のお喜びを申しあげます。
旧年中は「サークル・フレンズ」の活動に多大なご支援・ご協力を賜りありがとうございました。お陰さまで、昨年は高次脳機能障害の理解や周知に力を注ぐことが出来ました。本年も昨年同様に頑張ってまいりますので、ご支援・ご協力を賜りますよう宜しくお願い致します。
第6回パラアート展が開催されました
第6回パラアート展が11月29日から12月12日までの2週間、「パルティせと」において盛会に開催されました。このパラアート展には、瀬戸市内の障害者施設6団体から36点の作品が出展されました。「サークル・フレンズ」は今年も仲間の共同作品1点を含めた3点を出展しましたが、「おもちゃのチャチャチャ」は大好評でした!4年前“さをり織り機”を瀬戸市社会福祉協議会の助成金で頂いて以来、「NPO法人まごころ」より技術指導のご支援を頂き、半年がかりで作品の土台になる”さをり”を織るようになりました。
今年も縦90センチ、横130センチの大きな布を織り、ボラさんの協力でさをりのさをりの額を作りました。
その額に”おもちゃのマーチ”の曲をイメージして、発泡スチロールの兵隊さんやキューピーさん、紙コップで作ったパンダ、初夏の公園で飛ばしたグライダー、そして折り紙作品の数々をおもちゃ箱から飛び出したように飾り付けました。一つ一つの作品を針と糸で縫いつける作業も大変でしたが、苦労の甲斐があって、最高傑作になりました。
パラアート展を見てくださったフレンズ関係者の皆さんからは、「とても良かったよ!」とか「年々グレードアップしているね!」「パンダ、紙コップで出来ているの?いいね〜!」などの感想やお褒めの言葉を頂きました。また、当事者は「よかったと思います。」「目立っていたと思います。」などの感想を言っていました。会場に足を運んで下さった皆様、ありがとうございました。
パラアート記念講演会に参加して
猿12月12日(土)、第6回パラアート展の一環として「せと・まるっとパラアート記念講演会」が開催されました。
テーマは「バリアバリューから人生を変える〜障害をマイナスから価値へ〜」
講師は、株式会社ミライロ 岸田ひろ実 氏

岸田氏は、講師の始めに”ミライロ”の理念である「バリアバリュー」や「ユニバーサルマナー」をひとつのヒントとして、社会に発信してゆく活動をしていると紹介されました。
「バリアバリュー」とは「バリア」は障害と言う意味ですが、これを「バリュー」価値に変えてゆく、そんな社会が必要だろうとの思いをこめて作った理念だと紹介。また、「ユニバーサルマナー」の考え方にも触れ、「高齢者や障害者が当然のように外出できる現代、高齢者や障害者への対応方法は特別なものではなく、ひとつのマナーである。
他にも、ベビーカー利用者、妊婦の方、外国人など、外出に不安を抱えている方はたくさんいます。自分とは違う誰かのことを思いやり、適切な理解のもと行動し、気持ちよく生活できる社会の創造を目指している」と話されました。その後、講師は「私は今が一番幸せです!」と話し始められ、自身を襲った3つの出来事(障害を持って生まれた長男、夫の突然死、自身の障害)から立ち直った現在までの話をされました。
以下は参加した仲間の感想です。

岸田ひろ実さんの講演は素晴らしかった。
知的障害の長男を育てる中、ご主人を突然なくされ、なおかつ自身の大動脈解離の後遺症により車椅子生活を余儀なくされたが、「歩けなくても伝えることは出来る。」と長女たちが立ち上げたバリアフリーに取り組むベンチャー企業「ミライロ」にに平成13年に入社、以来、全国を廻って講演活動をしている。
あるとき、岸田さんがラーメン店に入った際、バリアフリー設備は整っていなかったが、店員の心遣いで気持ちよく食事ができたエピソードなどを紹介、ハード(障害)を変えることは出来ないが、ハートは変えることが出来ると話され、とても素晴らしい言葉だと思った。
下半身麻痺の岸田さんは、自分が生きていてもしょうがないと思い込み、毎日死にたいと考えるようになっていた頃、その胸の内を高校生だった長女に話したら「死にたかったらしねばいいじゃん」と意外な言葉にビックリ、「でもママ、私のためにもう少し頑張って!ママなら大丈夫!」と背中を押してくれたそうだ。もし自分が長女と同じ立場だったら、同じことが言えるだろうか?
これからは、自分も努力して生きていかなければならない事を考えさせられる日になった。僕は高次脳機能障害です。毎日をたくさんの方々に支えられています。「ありがとう」「ごめんなさい」「お世話になります」の気持ちを持って、人と接するよう心がけていきたいと思います。
                                                                                                               Y.K
岸田氏は、まとめとして、前向きなあきらめ(頑張ってみても無理なことはあきらめる)と視点を変える(出来事ではなく、受け止め方で結果は変わる)大切さを話されました。
また、「いつでも笑顔でいること(から元気でもいい)は幸せを引き寄せる。今日という日を大切に生きる。それが人生を最高にする。」と締めくくられました。
講演を通して、
心のバリアフリーを実践してゆく大切さを痛感しました。
楽しかったクリスマス会!!
去る12月23日、「フレンズ・ハウス」においてクリスマス会を開催しました。
総勢16名、狭い部屋が一杯になる盛会でした。
クリスマス会開始の3時間前からボラさんたちが集まり、部屋の飾り付けや料理作りをしました。
飾り付けでは、狭い部屋を少しでも快適にしようと、3部屋の戸をはずして1部屋にしたり、窓や壁に折り紙のサンタさんやクリスマスグッズを貼り付け、雰囲気作りをしてくれました。殺風景な部屋が一瞬にしてクリスマス一色になり、ワクワクしました!
クリスマス料理も盛りだくさんで、手巻き寿司、唐揚げ、ポテトサラダ、などなどを仕上げて行きます!
極め付きは2日前に有志で作った6台の大きなケーキです。そのうち2台はイチゴショートケーキ、当日の飾りつけはKさんとSさんの女性2人です。ボラさんの指導のもと、生クリームで飾りつけします!イチゴをたっぷり入れた2段がさねのケーキに、周りから歓声が上がります1

準備万端ととのい、クリスマス会の開始です。
まずはシャンパンでカンパ〜イ!
クラッカーを鳴らして「メリークリスマス!!」
さあ、お待ちかねの食事です。どれから食べようかな?
まずは唐揚げ、次は手巻き寿司・・・
「ケーキのお腹をのこしておいてね!」と声がかかります。
お腹一杯食べた後はリクレーション、昔懐かしい”福笑い”で盛り上がりました。「私はできる!」と内心思いながら目隠しをすると、急に顔の場所が分からなくなって・・・
「上手、上手、アハハハハ・・・」と皆の笑い!
本当に楽しいクリスマス会でした。
「フレンズ便り」一覧に戻る