~ 土木設計コンサルタント  ~



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砂防ってなに?
 ここにアクセスされた方の中には「砂防」という言葉になじみのない方も見えると思いますが、「砂防」とは読んで字のごとく砂を防ぐ事業のことです。
ん?説明になってないって?。(^^ゞ
 では、山の方にいくと下の3枚の写真のようなものをみたことがないでしょうか、これが砂防の施設の代表的なもので、上2枚が砂 防堰堤下1枚が流路工(今は渓流保全工という名称になってます)と呼ばれています。

 川や渓流は河床や法面を削ったりして、土砂を運びながら下流へ流れていきます。この土砂が下流に堆積すると、川の断面が足りな くなり川が氾濫します。また、豪雨時等には、山の斜面が崩れたり、河床に堆積していた土砂が水を含んだりして、それらが土石流 (呼んで字のごとく、土や石を含みながら流れてくるもの)となり下流の民家等に被害を及ばします。

 これらの災害を防ぐため、保護するべき施設(民家や工場や公共施設等)の上流に砂防堰堤を設置し、土石流や有害な土砂を防ぎま す。また、堰堤から下流に流路工を設置し、洪水を安全に下流に流し、そして、下流の河床及び法面が浸食されないようにします。

■砂防堰堤下流部

砂防堰堤下流部
砂防堰堤下流部より撮影した写真

 砂防堰堤の下流から撮影したところです。この堰堤は重力式コンクリート堰堤といって砂防堰堤にもっともよく使われている構造で す。真ん中の台形の部分から水が流れるようになっていますが。確率的に100年に一回あるかないかの雨量(1/100確率とか確率年 100年とかいいます)に対応した断面となっています。手前で流路を横断しているものは水管橋ですが、砂防施設とは全然関係あ りません。あしからず。

■砂防堰堤上流部

砂防堰堤上流部
砂防堰堤上流部より撮影した写真

 上記の堰堤の上流(裏)部です。施工したばかりですので、土砂はたまってませんが、ここに土砂がたまります。これは不透過型と いって土砂を100%止めてしまいますが、最近は下流に必要な土砂は下流に流そうという、透過型堰堤も多く用いられるようになってきました。

■渓流保全工&床固工


流路工&床固工
渓流保全工&床固工を下流から撮影した写真

 一般には川とか水路とか呼ばれているものを砂防では、渓流保全工(前は流路工と言ってました)といいます。そして落差の付いているところ(写真でも2カ所見えま す)を床固工といいます。この断面は確率的に30年に一回程度(確率規模はそれぞれ異なりますが)の雨量に対応した断面となっています。前までは渓流保全工の護岸といえばほと んどが写真のような、ブロック積護岸(ブロックを段々に積んでいく護岸です)ばかりだったのですが、最近は景観に考慮し、石積護 岸や石模様などの化粧を施したブロック積護岸も多く見受けられるようになってきました。

■砂防堰堤の堆砂及び土砂整備について

 上記の写真のような不透過型堰堤における堆砂の状況は、普通の状態では上流から流されてくる土砂により徐々に平常時堆砂勾配まで埋まります。平常時堆 砂勾配まで堆砂した堰堤へ土石流が流れ込んでくると、計画堆砂勾配まで一時的に堆砂し、計画堆砂勾配まで堆砂した土砂は、その後 徐々に堰堤下流へ流されます。
 砂防堰堤における土砂整備の考え方は、平常時の流水に含まれる土砂や計画以外の土砂(予想外の山腹崩壊等)により堰堤が満砂状 態になった場合においても計画の土石流の量に対応できるよう、貯砂量は土砂の整備量(この堰堤でどれだけの土石流の量を受け止め るかということ)に見込まないものとし、土砂の整備量は調整量+扞止量としてます。

  ・貯砂量 - 現況河床から平常時堆積勾配の間の土砂量
  ・捕捉量 - 平常時堆積勾配から計画堆砂勾配の間の土砂量
  ・扞止量 - 土砂が堆積したことにより、河床の堆積物の流出を押さえた量

 尚、堆砂勾配は以下の様に設定します。
   ・計画堆砂勾配  -現況河床勾配の2/3 (現況の河床勾配が1/10だったら1/7)
   ・平常時堆砂勾配 -現況河床勾配の1/2 (現況の河床勾配が1/10だったら1/5)
   ※1/10とは10m行って1m上がる勾配のこと(1/5なら 5m行って1m上がり)

堰堤堆砂説明図