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森 春美



その一


 平成 3 年 11 月 10 日の夜明けでした。キォールのママさんと京子と私と橋本の車 に乗ってフェリーでいざ出発です。フェリーの中ではうとうとしたりママさんの作っ てくれたお弁当を食べたり、私はまるでピクニック気分です。

 フェリーが着いて、車はアスファルトから田舎道へ・・・。朝の 6 時ごろに何とか 一番の霊山寺に着きました。

 私は車の中で眠たいし、寒いし、不安でもありボーとしていました。ウロウロと神木 を見に行って写真を撮ったりしていました。

 ママさんが霊山時で池の鯉を見ているときに、おじさんが近付いてこられて、百回巡 拝のお札をくださいました。その時は訳が分からなかったのですが、後からいろんな 事が分かってくると、それは百回歩いて巡拝した方の、とても有り難いお札でした。 ママさんだけに寄ってこられてくださったので、ママさんの息子さんのご病気は、き っと治るのだと、私は帰ってきてから、一人そう確信してうなずいていました。

 私と京子も、後日にとても有り難い偉いお方の金色のお札をいただきました。それは 今、家の仏壇においています。

 お寺が開いて、混雑の中で巡拝の用品を、何がなんだか分からないままに買いました。 「えー、もう分からへん、京子と一緒のん買うー」しかし、ちゃっかりと傘、白衣、 白いズボン、手甲、脚絆、納経帳、納経軸、納経白衣、おじゅず、袈裟、納め札、札 ばさみ、般若心経、頭陀袋、タオルまで完璧。その時にママさんが買った「四国遍路一 人歩き同行二人」(へんろみち保存協力会編)は後々どれほど役にたったか。有り難 いことです。このガイドブックは、遍路道を守り、大勢の人々がこの遍路道を歩く事 を願って製作されています。私もこの会に賛同し、協力していけたらと考えました。

 霊山寺の奥の部屋で着替えさせていただき、出発の時にノートに住所氏名を書き込み ました。なんと、それは後から分かったのですが、お大師さんに「私達は必ず八十八 カ所歩いて回ります」とお約束の印だったのです。ヒャー!

 ここまでしてやっと一番の霊山寺で納め札を済ませ、記念写真をとってやっと出発で す。お遍路の白さも眩しく、恥ずかしく、そして誇らしく私達は歩き始めました。

 京子のする通りに、住所氏名をお札に書き、本堂で、「般若心経」を唱え、大師堂で お祈りしました。願掛けは、何か一つと言われ、欲どおしい事はダメだと言われて、 私は先祖供養と水子供養と娘の幸せをお祈りしました。水子地蔵さんにも必ずお参り しました。次に納経所で、納経帳と白衣と掛け軸にご朱印をいただきました。すると 本堂にいらっしゃるご本尊様のお姿を3枚いただきました。巡拝しているうちに、お 軸は結願の時に表装して、立派な掛け軸となり、家宝になる事、納経帳は八十八番大 窪寺で結縁を済ませて、一番霊山寺にお礼参りを済ませて、高野山にお礼参りを済ま せると、立派な納経帳ができあがり、家宝にもなるし、お棺にいれてもらっても良い とのことです。お姿も、八十八カ所のご本尊様の入った立派なご本ができあがり、こ れも家宝になります。

 こういう事は、巡拝を続けていく事に、とても楽しみと励みになりますし、後には素 晴らしい思い出と、貴重なしるしが残ります。

 ご本尊様のお姿を入れる本の事を御影保存帳と言います。私の場合は三冊できあがり ますので、我が家の分と二人の兄達に送ろうと思いました。八十八カ所のご朱印をい ただいた白衣は、お棺に入れるときに着せてもらえると聞きました時には、本当に死 ぬのが楽しみなりました。でも私は、ママさんのお母様に着せてあげたいなーと思い ました。

 巡拝をしながら、きっと娘の由里も私の後を追って四国を歩いてくれる日がくると思 いました。四国巡拝は子供や友達に伝え残していくことが、お遍路参りをした人の役 目なんではないかと、帰ってきてから感じました。

 二番極楽寺、三番金泉寺、四番大日寺、五番地蔵寺と歩いて歩いて・・・。町の中を、 たんぼの中を、路地裏を、山の中を歩きます。たわわに実った柿の木に「わぁーこん な柿の木は都会にないよー」と、ママさんは思わず柿の木にキスをします。そこで、 はいパチリ。京子やママさんはどんどん先を歩いていきます。私はいつもビリです。 ズルズルと足を引きずって歩きます。私は、キツネウドンとお饅頭とおミカンを食べ るのだけが日々の楽しみでした。まだ訳の分かっていないお遍路さんの一日目でした。 そして六番安楽寺に向かう頃にはもう夕方でした。一日目の宿泊地七番十楽寺に向か う時は、外は真っ暗で、足は痛いしフラフラ、ヨロヨロとやっとたどりつきました。





ある日、富士山に登った春美が、そこでご来光を見ました。
その時に何を感じたのか、四国八十八カ所を歩いて巡ること
を決意し、平成3年11月より暇を見つけてはお遍路しています。
これは、その時のお遍路日記です。今現在も継続中です。
私は実兄ですが、なかなか面白い道中記ですので、皆さんにも
読んで楽しんでいただきたいと思います。






その二
その三
その四
その五



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